こんにちは、Elephant Careerの秋山です。
私はもともと組織で人事を担当しながら、その腕を上げるために社会人大学院で人材開発・組織開発について学んでいました。Elephant Careerでインタビューした中にも多くのMBA修了者がいます。
そんなMBAで学ぶ人は増えていますが、本当にメリットはあるのか気になっていませんか?実はMBAの取得にはメリットがたくさんあります。そこでこの記事では、MBAが意味があるのか、大学の選び方、修了生の体験談などを紹介します。
MBAの進学を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
●MBAとは?
MBAとは、経済学の大学院修士課程を修了するともらえる学位です。日本では経営学修士と呼ばれています。日本では1970年に初めて作られました。
主に、経営戦略やマーケティング、ファイナンスなどが学べるのが特徴です。経営に関する知識が得られるため、外資系・コンサルティング系に転職を考えていたり、経営層・マネジメント職へのキャリアアップを考えていたりするときにおすすめです。
MBAの資格を取得するためには、専門の大学院・ビジネススクールで学ぶ必要があります。
MBAは日本では意味がないってほんと?
MBAの評価は企業によって異なるのが原状です。2022年のグロービスの卒業生向けのアンケートでは、待遇・キャリアに関するポジティブな変化があったと答えた人は93.2%にのぼりました。
引用:グロービス経営大学院「活躍する卒業生・在校生 卒業後の変化・キャリアアンケート」
中には、世界初の事例を得て評価されたり、営業所の再構築を実施したりしている人もいます。MBAで学んだことを活かして組織改革など成果を残した結果、企業の評価につながっています。MBAを取得したことが、すぐに昇給につながるわけではありません。
あくまでもMBAを活かして、会社に貢献することが昇給につながる近道です。
MBAの難易度は高い?
MBAの難易度は、志望する大学院によって異なります。日本国内のMBAの合格率を一部紹介します。
学校名 |
合格率 |
東京都立大学大学院 経済経営学部 経営学研究科 |
2.96 |
神戸大学 MBA |
2.42 |
横浜国立大学 国際社会科学府 経営学専攻 |
2.01 |
参考:東京都立大学「教育情報の公表 :: 2022年度 入試状況(研究科) | 東京都立大学」
神戸大学MBA「2023年度入学生情報」
横浜国立大学「令和5年度 横浜国立大学入学者選抜実施状況一覧(大学院)」
学校によって難易度は大きく変わるため、志望する学校の入試情報を調べてみてください。
●国内と海外のMBAの違い
MBAには国内と海外があります。それぞれの特徴を以下で紹介します。
国内
国内のMBAは、100〜300万円程度で学位を取得できるのが特徴です。試験内容は筆記と面接なので、対策をきちんとしていれば合格できます。授業は日本語で実施されるため、英語力に自信がない人でも問題なく受けられます。
オンラインであれば、日本国内の地方にいる人とも関われるため、年齢・性別にかかわらずさまざまな人と交流ができます。日本人が多いので、人脈はビジネスにも活かしやすいでしょう。
海外
対して海外MBAは、300〜2,000万円とかなり費用がかかるのが特徴です。通学する場合は、追加で滞在費などが必要になります。かなり経済的な負担が大きくなることは注意しましょう。
海外MBAの場合、基本的に言語は英語です。現地のリアルな英語に触れられるため、日本で学ぶよりも早く身につくでしょう。世界各地から生徒が集まってくるので、交流の幅も一気に広がるのも特徴です。
海外MBAについてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
●MBAを取得するメリット
MBAを取得するメリットは、以下の6つです。
- 修士の学位が得られる
- 経営の知識が身につく
- キャリアアップが見込める
- 新たな人脈を確保できる
- 働きながら取得できる
- 海外MBAの場合英語力が磨ける
MBAを取得するべきか迷っている場合は、参考にしてみてください。
修士の学位が得られる
MBAを修了することで、修士の学位が得られます。高い専門性を証明でき、専門家として働けます。また、大学教員への道も開かれるでしょう。
知識を活かせばセミナーの講師やメディア取材を受けることもあります。修士の学位を得ることで、選択肢が大きく広がります。
さらにプレゼンテーション能力やディスカッション能力など、修士課程に通うからこそ得られるスキルもありますよ。修士の学位を得ることで、プレゼンテーション能力やディスカッション能力などのポータブルスキルも獲得できます。
経営の知識が身につく
MBAに通うことで、経営の知識を身につけられます。MBAは経営について学ぶだけではありません。ビジネスに欠かせない「ヒト・モノ・カネ」について学んでいきます。3つを学ぶことで、ただ会社や組織を運営するだけではなく利益を最大化させる方法を学べます。
経営に対するリスクマネジメントの方法も学べます。会社の運営に欠かせない知識がMBAで得られるのです。
キャリアアップが見込める
MBAの資格を取得して、うまく活用すればキャリアアップが見込めます。経営について高い知識があることが証明できるため、それを評価してくれる会社もあるのです。ただし、すべての会社で、MBAの取得によるキャリアアップが叶うわけではありません。
中には評価につながらない企業もありますが、MBAで学んだ知識を活かして会社に貢献すればキャリアアップが叶う可能性があります。さらに、MBAを使って転職や起業などをすれば、収入が上がることもあります。今の会社で評価されないとしても、視点を変えればキャリアアップできる可能性があるため、MBAの取得は無駄になりません。
新たな人脈を確保できる
MBAに進学することで、新たな人脈を確保できるでしょう。MBAでは、年齢・役職・性別関係なくさまざまな人が集まってきます。例えば中央大学のビジネススクールの2023年の入学者では、以下のような年齢構成と役職の比率になっています。
引用:中央大学「ビジネス・パーソンのためのMBA(専門職学位課程)」
社会人経験豊富で、いろいろな役職の方が集まってくるため、ビジネスの人脈が広がります。中には人脈を活かして、会社を立ち上げる人もいるほどです。
働きながら取得できる
MBAはオンラインで受講できるところや平日夜間と土曜日に講義をしているところがあります。働きながら通えるように工夫されているため、キャリアを諦めずに進学ができます。ただし、海外MBAだとオンラインでないと、働きながらMBAを取得するのは難しいでしょう。
海外MBAの場合、英語力が磨ける
前述しましたが、海外MBAに挑戦する場合は英語力が磨けます。MBAでは、ディスカッションやプレゼンテーションをする機会がたくさんあります。そういった経験を積むことで、ビジネス英会話が身についていくのです。
レポートも英語で提出する必要があるため、書類づくりの知識も身につきます。これから世界で活躍する企業で働いていきたいと考えている場合は、海外MBAに進学するのもおすすめです。
●MBAを取得するステップ
MBAを取得するためのステップは、以下のとおりです。
- 進学先を決定する
- 受験し、入学する
- 所定の単位を取得して卒業する
進学を考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
進学先を決定する
まずは進学先を決定します。MBAといっても国内・海外にたくさんあります。それぞれ特色が違うため、気になるところをいくつかピックアップしましょう。
絞り込みができたら、オープンキャンパスにも行ってみてください。オープンキャンパスでは、実際の講義が受けられたり、入試情報を得られたりします。特に第一志望の学校には、行っておきましょう。
受験し、入学する
志望する学校を決めたら、受験をして入学します。受験までには必要な書類を準備したり、対策をしたりしなければいけません。受験をして無事合格したら、手続きをしっかり進めるようにしましょう。
手続きを忘れてしまうと、進学できなくなってしまいます。入試までのスケジュールについて詳しく知りたい場合は、以下を参考にしてみてください。
所定の単位を取得して卒業する
入学をしたら、所定の単位を取得します。自分がMBAを取得する目的を意識しながら学ぶと、挫折しそうになっても折れずに頑張れます。
働きながら学ぶ場合、時間が取れないと悩むことも多いと思います。朝やスキマ時間を使いながら工夫をすることが大切です。単位を無事に取って卒業できれば、晴れてMBAの資格を取得できます。
●MBAの資格が取得できる大学院を選ぶときのポイント
MBAの資格が取得できる大学を選ぶときのポイントは、以下の5つです。
- 自分にあった学び方ができるか
- 費用は用意できるか
- 得意分野と学びたいことが合っているか
- 教わりたい教授がいるか
- 修了生の進路はどうか
進学先をどのように選べばいいか迷っている場合は、以下を参考にしてみてください。
自分にあった学び方ができるか
まずは自分に合った学び方ができるかチェックしましょう。MBAと一言に言っても、通学型やオンラインで受講できる学校などさまざまです。フルタイムの学校を選んだ場合は、仕事も退職しなければいけません。
夜間や休日制を選んでも、自分に合っていなければ仕事と両立できなくなってしまう可能性があります。結果的に時間を割けずに、自主退学することになってしまうかもしれません。自分がどのような学び方が合っているか検討しながら大学院を選びましょう。
費用は用意できるか
MBAに通うためには費用がかかります。大きなお金が動くため、どのように費用を準備するか考えておきましょう。MBAの費用を準備する方法は、主に以下の3つです。
- 奨学金
- 給付金
- 教育ローン
それぞれメリット・デメリットがあるため、比較したうえで検討しましょう。奨学金や給付金について詳しく知りたい場合は、以下を参考にしてみてください。
得意分野と学びたいことが合っているか
各MBAには得意分野があります。例えばマーケティングに強いところもあれば、組織論に力を入れている学校もあります。大学院の名前だけで選んでしまうと、自分が力を入れて勉強したいことが実現できません。
どのようなことが学べて、何に力を入れているのかしっかり見ておきましょう。そして自分が学びたいことと合っているかも一緒にチェックしてください。
教わりたい教授がいるか
教わりたい教授がいるかも確認しておきましょう。大学院の名前で選んでしまうことが多いかもしれませんが、誰のもとで学ぶかのほうが大切です。教授の経歴や研究内容、論文などをチェックすると、教授が何が得意なのか判断できますよ。
またオープンキャンパスでは、実際に教授の講義が受けられます。授業の進め方をチェックできるチャンスなので、ぜひ参加してください。
修了生の進路はどうか
修了生の進路についても見ておきましょう。自分の職場に戻る場合は問題ありませんが、転職も考えているときには先輩たちがどのような職についているかチェックしておくと、自分が描いているキャリアイメージに合っているかどうか確かめられます。
Webサイトやパンフレットなどに事例が載っているので、チェックしてみましょう。自分が思い描いたキャリアが実現できるか不安な場合は、大学院に問い合わせてみるのもおすすめです。
●MBAが取得できる大学院
MBAが取得できる大学院を一部紹介します。
その他にもたくさんあります。国内だけではなく、オンラインで海外のMBAで学ぶという選択肢もありますよ。どの方法が良いのか、比較しながら検討するのが大切です。海外のMBAについて知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
●MBAを取得するときの注意点
MBAを取得するときの注意点は以下の2つです。
- 目的を持って進学する
- MBAの資格取得をゴールにしない
注意点を把握していないと、想定外のことになってしまう場合もあります。注意点は進学後も頭のすみにおいておいてください。
目的を持って進学する
MBAは目的を持って進学しましょう。最近流行っているから、周りが行っているからという理由で進学しても、挫折してしまう可能性があります。目的が曖昧なので、挫折すると立ち直るのも難しいです。
目的があれば学ぶ理由ができるため、挫折するようなことがあっても立ち直れます。なんのためにMBAを取得するのか目的を定めて書き留めておくのがおすすめです。
MBAの資格取得をゴールにしない
MBAの取得をゴールにしないようにしましょう。MBAの学位は単なる証明書です。学ぶ中で得た知識を現場で発揮することが重要です。
MBAで学ぶときには、自分ごと化して考えるようにしましょう。この理論をどのように活かしていくか考えながら勉強することで、深く理解できます。
●MBAの資格を取得して仕事に活かしている人たち
MBAの資格を取得して活かしている人はたくさんいます。今回はElephant Careerでインタビューした人の中で、活躍している方を2人紹介します。
中央大学ビジネススクール:平良 典靖さん
平良さんは製薬の専門職を続けていく中で、新しいことを学ぶ機会がほしいと考えて進学しました。実際に進学して大学院で得たものは、人とのつながりだったそうです。しがらみも忖度もない環境で出会う仲間は、かけがえのないものになりました。
MBAに通った人脈を活かして「MBA交流クラブ」を立ち上げて今後は、一般社団法人化と株式会社の立ち上げを計画しています。ビジネスを楽しみたいと話す平良さんらしい活かし方です。
平良さんのインタビューを詳しく読みたい場合は、以下をチェックしてみてください。
University of Massachusetts Lowell:藤野 真理さん
藤野さんは、大学時代に出会った社会人が大学院に進学していたことから、自身も検討し始めました。国内MBAを最初は検討していましたが、自分のキャリアの軸をグローバルにしていくために海外MBAに挑戦しました。
藤野さんはMBAをきっかけに、転職した外資系コンサルティングで業務改善などをしています。お客様からも評価を得ているそうです。藤野さんのインタビューを読みたい場合は、以下をご覧ください。
●MBAの資格は取得がおすすめ!迷っているならオープンキャンパスへ行ってみよう
MBAの取得はおすすめです。MBAは、経営の知識が得られたり、新たな人脈を確保できたりするメリットがあります。MBAの進学を検討している場合は、今回紹介した選び方や取得のステップを参考にしてみてください。
ただし、MBAを取得するだけで必ずしもステップアップするわけではない点には注意しましょう。目的を持って、資格取得をゴールにしないことも大切です。今回紹介した2名のMBA出身者のインタビューも参考にしてみましょう。
Elephant Careerでは、MBA以外にも多くの大学院出身者のインタビューを掲載しています。インタビューをチェックしたい場合は、以下のページをご覧ください。