社会人大学院進学を考えている人の心にスイッチを入れる。がミッションの「えれキャリSwitch」。2024年2月3日に行われたイベントのテーマは「子育てしながら学び直し体験談」です。実際に子育てしながら大学院へ行ったお二人にお話をうかがいました。
●OPENING
秋山詩乃(以下秋山):本日は皆さん、えれキャリSwitch!#5 子育てしながら学び直し体験談にご参加いただきありがとうございます!
秋山の自己紹介と社会人大学院の概要
秋山:あらためましてElephant Careeを運営している秋山と申します。立教大学 経営学専攻 リーダーシップ開発コースを修了しました。私の学び直しのタイミングは、会社員時代に人事を担当していて、みんなの将来やお給料、人生を左右する施策を実施する立場になったときです。自信を持って施策立案・実行できるようになりたいなと思って、社会人大学院に進学しました。
修了後はしばらく会社員として働いて、その後株式会社UnleashUを立ち上げました。
会社では、メディアの運営と人事コンサル、自社プロダクトを提供しています。
次に、社会人大学院について簡単に紹介します。社会人大学院には、明確な定義はありません。社会人大学院は社会人が通いやすいように工夫されている大学院だと、Elephant Careerでは考えています。社会人大学院のスタートは1989年の筑波大学の夜間です。
現在は国立・私立、通信系などを含めると、全体で約80専攻、毎年5,000名ぐらいの定員があります。修士だと大体2年間通うので、毎年だいたい1万人弱ぐらいの社会人大学院生が学んでいる状況です。
そして労働人口に占める社会人学生の割合は、単年で0.01%(2021年の日本労働人口の6,667万人に対して、社会人学生8,000人として計算した場合)。累積しても1%程度です。学び直しの経験がある人はすごい稀有な存在なので、 なかなか話を聞いてみようと思っても周りにいません。さらに、子育てをしながら学ぶ経験をした人に限定すると周りにいないと思うので、今日のイベントで存分に交流いただきたいなと思っています。
●ゲストトーク 双子のパパをしながら社会人大学院を卒業した野上智行さん
秋山:ここからは野上さんに体験談を紹介いただきたいなと思います。野上さんお願いします。
野上智行さん(以下野上):ありがとうございます。あらためまして、野上です。法務省の矯正局というところで仕事をしています。主に刑務所や鑑別所、少年院など、非行・犯罪をした人を収容して、その人より良くしてくことを主管しているところです。
人生グラフで振り返る野上智行さんの仕事と学び
野上:これまでの人生の履歴は、上記の画像のような感じです。高校・大学と楽しく過ごしていました。大学時代から心理学を勉強していて、学んだことを活かせる仕事に就きたいと思って、今の職業を選んでいます。心理の仕事は大学院を出てから就く人が多いですが、私は大学の学部卒で就職しているので、常に勉強と実践を繰り返して知識を得ていきました。社会人6年目からは人事院と呼ばれるところに異動して、公務員試験の問題作成をしました。1年位働くとペースが掴めてしまうので、2年目に入ったあたりに仕事に余裕が出てきて、今までの知識を体系化するために社会人大学院への進学を考えたという経緯です。
妊娠がわかったのは、合格発表の段階です。人事院3年目のタイミングに双子が生まれて、同時に大学院に通っていました。9年目は1年間、育休を取ってワンオペで育児しながら社会人大学院に通いました。今年、10年目に入りまして、双子を抱えつつ、全国転勤の仕事を頑張っている形です。
野上さんの大学入学から在学中の育児と学び
野上:合格通知をもらって、妊娠がわかったときにどのように進学をきめたのかお話します。双子の妊娠は入学金とか全部払った後にわかって、妻と話し合いをしました。その後筑波大学の休学制度について調べて、お金がかからず最長4年在籍できることがわかったので、1〜2年休学しててもなんとかなると思って進学を決めました。仮に状況が変わらずに辞めるってなっても、それまでに取得した単位は別の大学を受けるときに使用できるので、思い切り飛び込めましたね。
実際に社会人大学院に行って思ったのは、最前線を学べるということです。社会人大学院は分野の第一人者から学べます。当時勉強したことが今現場の研修に組み込まれているので、最新の知識を学べたことはすごく大きかったです。
また、社会人大学院で勉強に対するイメージが変わりました。掘削作業のような感じです。大学の研究では、この辺に解決の糸口がありそうと調べたうえで、確証がない状態でどんどん掘ってっていくという作業だなと思っています。手探りの状態なので、たまに失敗もありますが、その事実にたどり着くための作業は無駄ではないと思います。大学の勉強を通して、自分の行く道を決めて、進んでいくことが大事だと学びました。
皆さんが気になっている双子育児とのバランスもお伝えしたいなと思います。正直、なかなか難しかったなという印象です。 子どもが生まれるときは妻が実家に帰っていたので、勉強する余裕もありました。子どもと妻が帰ってきてからは、抱っこしながらオンラインの講義を受けていました。コロナの影響でオンライン講義になったので、運が良かったです。子どもを抱っこしてマイクオフにして講義を受ける分には、怒られることはありません。社会人大学院は子育て世代が行くことも前提にしているので、結構配慮してくれました。通っている人も働きながらの方が多いので、子どもの泣き声がしても「大変だね」と気遣ってくださることも多かったです。
職場は業務内容的に、試験問題を期日までに作っていれば、比較的自由に過ごせる環境でした。双子を育児中のときは、講義のレポートなどは仕事と関係ある内容のものを選んで調べたり、作業していたりしました。怒られないか不安になると思うのですが、業務と関係のあるものできちんとやっている理由ができれば問題ないと思っています。これは私だけではなく、皆さんにも当てはまることです。社会人大学院に進学するきっかけは、自分のキャリアの延長線上のことが多いと思います。自分の仕事と関連がある側面があると思うので、調べ物してる分にはそこまで仕事で怒られることはないと思います。もちろん仕事に関係のないことだと怒られてしまうので、必ず理由付けができる範囲内に収めることが大切です。
スケジュールについては2年間のうちに1年目で単位をほぼ取り終えて、2年目は修士論文に集中するよう調整しました。2年間忙しいよりも、片方が忙しくてもう片方は余裕があるといったスケジュールのほうが妻からの理解は得やすいと思います。
Q&Aタイム
野上:ここからは事前にいただいた質問についてお答えします。
大学は家事・育児を考慮して選んだ?
野上:妊娠がわかったのは入学金を納めた後だったので、育児を考慮した大学院選びはしていません。ただそのときに住んでいた場所から通いやすいかは意識して選びました。
パートナーとは相談した?
野上:妻とはかなり相談はしました。漠然とどうするかという話だけではなく、こういう問題が起きたときはこうするみたいな想定を何個か考えておいて提案していたので、妻に反対されることはなかったです。
市や区の育児サポートは利用した?
野上:市や区の育児サポートはすごく活用していましたし、今でも利用しています。民間サービスよりも安いので、かなり頻繁に利用してますね。市区町村の育児サポートについては、母子手帳もらいに行ったときに情報がまとまった資料をもらいます。後回しにしがちですが、結構使えるサービスがあるので資料に目を通しておくと良いかなと思います。
市や区の育児サポートの利用が難しいときは、民間サービスの運営会社などを調べて、安心して預けられるか確認したうえで活用しています。
といった感じですね。皆さんご清聴ありがとうございました!
秋山:野上さんありがとうございました!
●ゲストトーク 経営と仕事と学びを両立して卒業した堀江敦子さん
秋山:続いて、堀江さんのお話を伺いたいなと思います。よろしくお願いいたします。
堀江敦子さん(以下堀江):スリール株式会社で代表しております堀江です。 大学は日本女子大学の社会福祉学科を卒業しました。その後、楽天株式会社で3、4年ほどマーケティング・リサーチの仕事をして、2010年にスリール株式会社を創業しています。
私の専門は人材育成や組織開発です。社会人大学院へ進学したタイミングは、創業10年目ぐらいです。えれキャリ主催の秋山さんとは経営学専攻 リーダーシップ開発コース(LDC)の第1期生という形でご一緒していました。妊娠がわかったのは2020年の合格通知をもらったタイミングで、出産から1歳の間で社会人大学院を卒業しました。大学院に行った後も、ISO 30414リードコンサルタントを取得したり、イギリスジャーナリストの講座を受けたり学び続けています。
会社の事業は、企業さん向けに女性活躍・ダイバーシティの研修コンサルや大学生向けのキャリア教育の授業をしています。特徴的なのは、体験型のプログラムです。仕事と子育ての両立を体験してもらうプログラムを大学生や管理職に向けて実施しています。プライム市場にいるような企業さん向けのコンサルも最近はたくさん増えてきています。
人生グラフで振り返る堀江敦子さんの仕事と学び
堀江:学生時代のボランティア活動の経験から、なんとなく今の日本の社会が健康な大人の視点でしか作られてないってことに違和感を感じていて、ハンディキャップを持った状態になっても、自分らしく生きていける環境を作りたいと思っていました。そういった思いを抱えながら就職して4年目ぐらいになったタイミングで、子育て体験をしていくことで社会課題や自分の将来、過去を見つめ直すきっかけにしてもらって人材育成につなげる事業をしたいと考えて、一念発起して起業しました。そこから10年は、もう本当に実践型でがむしゃらに働きましたね。
創業10年目ぐらい、私が33歳ぐらいになっていったタイミングになって、メディアなどで情報発信していたのですが、経営戦略としてやってもらわないと企業に浸透しないと気づきました。ただそのときの私は理論を身に着けていなかったので、説得力を身につけるために進学を考えるようになりました。調べたらLDCの一期生を募集していた時期なので、受験をしたという経緯です。妊活中ではあったのですが、一期生だったので多少の融通は効くだろうと考えて応募しました。夫も同じタイミングで立教大学の博士課程を受験したので、夫婦二人で年末は勉強していました。
大学院を出てからの視座変化を感じた
堀江:社会人大学院に行って経営視点が得られました。入学前は、持論しかなく体験談に即して知識をまとめていたので、誰にでも納得感を得られるようにノウハウを提供できていない状態でした。進学して体系的な理論や歴史的背景、ビジネスフレームなどを学んでいくことによって、感覚的に実践しているものが理論的にどういう意義があるのか、経営としてどういう意味があるのかが語れるようになりましたね。
また社会人大学院に行ったことで、自分の中に整理収納の箱ができました。人的資源論を学んで、持論を整理できて専門性も高められたと思います。
そして社会人大学院に行って、学びが楽しくなったことも変化の1つです。進学する前は「自分は勉強できない」というレッテルを貼っていました。大学院では好きなことを学べるので、自分に合った勉強方法を見つけられました。修論などに取り組む中で、学ぶコツを知れるっていうのは、すごく良かったなと思います。ただ育児もあるので、時間を確保するところは別の問題なのですが。学び方のコツを知れたことで、卒業後も資格取得などの勉強もどんどんできるようになりました。
経営と仕事と育児の両立
堀江:経営と仕事と育児の両立は完璧はあまり目指さずに過ごしていました。社会人大学院はコロナ禍というのもあり、オンライン講義が中心でした。金曜の夜と土曜日は社会人大学院の講義が毎週入る形です。そして経営者なので、産休・育休の制度は基本的にありません。 なのでメンバーに頼んで、3ヶ月だけ産休を取らせてもらいました。子どもが2ヶ月半になったぐらいのタイミングで復帰して、午後だけ仕事をする形で進めていましたね。大学院も出産のときに1回講義を休んで、それ以外は通っていました。
育児と学びの両立で大変だったのは、100%やりきれなかったことです。やはり独身のときと変わらず、すべてを100%やろうと思うと潰れてしまいます。周りに頼りながら、できるところまでやると意識していました。大学院のメンバーには、プレゼンのときに順番を早めにしてもらったり、その他の場面でもフォローしてもらったりしました。本当はもっとやりきりたい部分はあったのですが、全部頑張ることは難しかったので、的を絞って70%の完成度を目指しました。卒業してからも勉強はできると思って、悔しい思いは受け止めてましたね。
家族に関しては親や義理の親にお願いして時間を作ることはありました。また、幼稚園に入ってからは延長保育や土曜保育を活用して、勉強する時間を確保しました。大学院に通っていると、土曜保育は使えます。今でも土曜日は子どもを預けて、勉強しています。
育児と仕事をうまくかけ合わせるためには?
堀江:育児と仕事と学びをうまく並列させるには、パートナーとの話し合いは欠かせません。夫がMBA通っていたときの同期の中には毎週末授業に出てる関係で、奥さんとのすれ違いが発生し、本当に離婚の危機になっている人もいました。本気で話し合わないと、どんどんすれ違うと思います。 先生とか事務局の理解、卒業生に前例はあるのかを事前に確認したり、休学制度をチェックしたりするのがおすすめです。
また自分たちのキャリアについて、パートナーと話し合うのもおすすめです。うちはキャリアも子育ても大切にしたいので、3年後のビジョンを共有する機会を作っています。互いの状況を共有してみて、サポートが必要であれば同時に調べて使えそうなところはピックアップしておくと良いかなと思います。
子どもの成長を長期的に理解することも大切かなと思います。実は0〜2歳児は補助が必要な時期ですが、必ずしも親がすべてお世話しなければいけないわけではありません。逆に子どもが3歳くらいのときに大学院に行こうとなると、両親と離れるのを嫌がってしまう時期なので、少し大変かなと思います。社会人大学院に行く場合は、戦略的に子どもの成長を見ながらタイミングを図るのがおすすめです。
社会人大学院は、本当に自分のキャリア価値につながっていくと思うので、ぜひチャレンジしてほしいなと思います。 育児もしながら学ぶ場合、外部のサポートは欠かせません。それを洗い出すためのワークシートが入っているので、もし困っている場合は『新・ワーママ入門』を手に取っていただければと思います。ありがとうございました!
●感想共有タイム
秋山:ありがとうございます。行政の雑誌は全部最初に読んでおこうとか、堀江さんの周りに頼る姿勢など学びがたくさんありました。ここからはご参加いただいた方に、感想をお聞きしたいなと思うのですが、小林さんいかがでしたか?
小林さん(参加者、以下小林):野上さん・堀江さんの話を聞いて、周りに頼ることが大切だと感じました。例えば、市・区のサービスや同じチームのメンバー、同じ大学院の方などにサポートしてもらいながら進めることで、学びやすい環境が作れると思えたのは私の中でポイントでした。
秋山:ありがとうございます。私も夫にご飯とか作ってもらって助けてもらったので、周りに頼るっていうことは、学ぶときに大事なんだなとあらためて思いました。三宅さんはいかがでしょうか?
三宅さん(参加者、以下三宅):休学というオプションを持って進学することに気づきがありました。今は、会社のステージが大きく変わるタイミングなので、1〜2年後どうなっているか予測できない状況です。なので、難しければ休学もありかみたいなそういう発想は新鮮でした。
秋山:ありがとうございます。行く前から、余白を作っておくことは大切ですよね。
Nakaharaさん(参加者、以下Nakahara):堀江さんの話で、的を絞って頑張るという話と勉強の仕方を学ぶという話がとても興味深かったです。
秋山:確かにそうですね。本当に100%頑張り切るのは難しいので、頼るのは大切ですよね。
●Q&Aタイム
秋山:皆さん、ありがとうございます!ここからは皆さんの状況を簡単に聞きながら、質問させていただければと思います。
経営者としての視座を得るために必要なことは?
秋山:まずは三宅さんお願いします。
三宅:私は新卒で大企業に入ってしばらく働いてから、そこから規模もカルチャーも違うITベンチャーへ転職しました。結構経営に近い部分で現在は働けていますが、いまいちマネジメントステージから昇華できていないと感じることが多くなりました。2023年12月ぐらいから社会人大学院について調べて、これからどうしていくか家族と話し合うタイミングです。
秋山:ありがとうございます。この辺は自分でどうステージを引き上げていくかというところになると思うのですが、堀江さんは経営になっていくうえで、必要な視点や大学院で得た学びなどぜひ教えてほしいです。
堀江:経営をしていく仲間とフレームを知っていくことは大事だと思います。私も経営者の会にたくさん行かせていただいていて、大きな企業の方と対話したこともありました。進学する前は、その人たちとの対話で、わかるようでわからないことが、実は結構あったんですよね。大学院に行ってからは、ビジネスフレームワークや事例などが経営者の土台になって会話できています。LDCは人事に特化しているので、MBAとかがおすすめですね。また企業価値がどのように見られているのかみたいなところも結構知っていくと、世の中ってこういうルールで、回ってるんだなと理解ができます。
なので自分の中で何が足りてないか考えながら、大学院を選ぶと良いかなと思います。私の場合、専門性に特化するためにLDCへの進学はして、その後また早稲田のMBAの単科でファイナンスもしました。足りないところを常に見て、自分に合った学び方を選べればいいかなと思います。
秋山:はい、ありがとうございます。ザ・週末社会人大学院って感じですね。野上さんも役職が上がっていくうえで、得られる学びが変わりましたか?
野上:プレイヤーとマネージャーの両方の目線が持てるっていう点では、たくさんの役割を経験した上でやったほうが、学びを吸収しやすいと思います。プレイヤーだとこう思うけど、マネージャーだとこう考えるだろうと思えると、得るものが大きいですね。
秋山:ありがとうございます。確かに、経験してる幅や種類が多いほど、 得られるものはいっぱいあるんだろうなと思いました。
修士か博士どちらに行くべき?
秋山:小林さんの今のご状況も聞いてみようと思います。いかがでしょうか?
小林:私はもともと大学院を工学系で修了していて、今はデータサイエンス系での進学を目指したいと思っています。妻と話して、働きながら学ぶことを検討しています。
秋山:これから行くとなると、修士じゃなくて博士からですか?
小林:迷っています。修士は機械系で入ってしまったので、情報学は社会人になってから勉強しました。修士で1から学び直す必要があるのか考えているところです。
秋山:ありがとうございます。修士と博士ではレベル感が違うので迷いますよね。ただ、博士の方が働きながら学びやすいと聞きます。堀江さんの旦那様は博士課程に行っていますが、いかがですか?
堀江:データサイエンスや工学系は詳しくないのですが、博士課程だと目指すところによっては、アカデミックにすみのすみを解明していくような作業です。私の夫はレベル感が違いすぎて、最初は挫折していました。今仕事を人材系から研究系に変えて、ようやく慣れてきたところです。仕事が大変なときは、ちょっと休学することもありました。今は修士に2回行く方もいるので、自分にとって博士の学びが合っているか考えるのもいいかなと思いました。
小林:博士は研究対象の本当に隅の方をいろんなアプローチから攻めていく印象があるので、それが本当に自分に合うかどうかっていうのは、実際に入ってみないとわかりませんね。
堀江:頑張ってください。まず挑戦されるのがすごいなと思っています!
昔の自分にアドバイスをするとしたら?
秋山:Nakaharaさんはいかがでしょうか?
Nakahara:私は新卒で組織課題を解決する会社に入って、最初の5年ぐらい自社の人事にいました。そこから2020年に営業へ異動して、お客様の課題解決に携わるようになりました。ただ第1子の妊娠・育休がはさまってなかなか仕事に突っ込みきれず、目の前対処的な感じで過ごしてしまった部分があり、自分の企画や提案に自信を持てない状態が続いています。学び直して今後この仕事と向き合っていくためにも、LDCを志望している形です。お二人に聞きたいのは、昔のお子さんが生まれた頃の自分にアドバイスをするなら、どのようなことを言うかです。
秋山:気になる質問ですね。堀江さんはいかがでしょうか?
堀江:0歳・2歳児のお子さんがいるということなので、具体的な対策を考えておくと良いかなと思います。金曜日の夜と土曜日は今までと同じように過ごすのは難しいので、1週間スケジュールを立てておいて、予定通りに進めるのが難しくなったら、どうするかの代替え案も考えておくと良いかなと思います。そして、休みがなくなってしまうと大変なので、子どもを預けて休むことも意識してください。全部を自分たちでやりきろうと思わないようにするのが大切です!大学院での学びも、全体で100%勉強すると思うと大変なので、自分が最優先で学びたいことを頑張って、他は5〜7割くらいにすると良いかなと思います。
秋山:ありがとうございます。優先順位は大切ですね。野上さんはどうでしょうか?
野上:昔の自分に言うとしたら、もう少し仕事サボっても良いのかなということです。大学院や子どものことで、休みが取りにくいと思うこともあるのですが、結局なんとかなります。子育てに関していえば、もっと周りに甘えて良かったんだろうなと思います。公的機関のサポートはもっと活用するべきでした。大学院は必要以上に力を入れてレポートのクオリティを上げようとしなくても良いかもしれません。良いレポートを作るために大学に行ってるわけではないので。レポートを作る過程でのインプット・アウトプット知識が身につけばいいと思います。保育園も年度途中だとどうせ通らないと思って、そもそも申請していませんでした。今思うと申請だけでもしておけばよかったと思います。その辺を考えると、自分がこれぐらい頼っていいと思ってる1.5倍ぐらいは、頼っても大丈夫ですね。
Nakahara:ありがとうございます。思ってる1.5倍っていうのはそうかもしれないですね。
堀江:少子化なので、結構幼稚園・保井育園は空いています!「こども誰でも通園制度」も国が進めているので、どんどん入りやすくなると思います。
秋山:ありがとうございます。たくさん参考になるお話が聞けました!
●CLOSING
秋山:まだまだ聞き足りないこともありますが、今日はこの辺で終わりにしていきたいなと思います。皆さん本当にありがとうございました。
えれキャリでは定期的にイベントを開催しているので、ぜひご参加ください。イベントや社会人大学院に関する情報はメルマガの「Elephant Letter」で発信しているので、気になる方はこのページの下部にあるフォームからご登録お願いします。また皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!
執筆者:堀口 祥子