こんにちは、Elephant Career代表の秋山です。
私は、都内の理系大学を卒業したのち、ITベンチャー企業に就職し、3年目から人事として評価報酬制度やキャリア開発などを担当してきました。私自身会社員として働いている中で、仕事に課題を感じて、人材開発・組織開発を専門的に学べる大学院に進学しました。
社会人大学院の選択の基準には、意外に立地もかかわってくるんです。今まで100名以上の社会人大学院生にインタビューした方の中には、東京にある社会人大学院に通った方もいます。今回はインタビューを受けてくださった方の経験も踏まえながら、東京にある社会人大学院や社会人大学院に行くメリットなどを解説します。
●社会人大学院についての概要を紹介
社会人大学院とは、短大や大学を卒業して、一定期間会社に勤めた方が働きながら通う大学院です。夜間や土日、オンラインで授業を受けられる大学院が増えているため、働きながらでも通いやすいメリットがあります。
社会人で知識の幅を増やしたり、研究したいことがあったりする方が選ぶことが多いです。実際にインタビューした方の中にも、仕事でのやり取りや業務の中で課題感を持った方が大勢いました。社会人大学院の概要について、より深く知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
●大学院のうち、東京にあるものを紹介
東京には、数多くの大学院があります。
- 筑波大学大学院
- 早稲田大学大学院
- 東京大学大学院
- 法政大学大学院
- 慶応義塾大学大学院
- グロービス経営大学院
- 目白大学大学院
- 文化ファッション大学院
- 立命館大学大学院
- 中央大学大学院
- 一橋大学大学院
- 明治学院大学大学院
- 青山学院大学大学院
- 亜細亜大学大学院
上記以外にも、まだたくさんの学校があります。その中から働きながら自分の得たい知識が学べる大学院を選ばなければなりません。以下の記事では、私が実際に大学院選びで実施した方法をまとめているので参考にしてみてください。
●社会人でも通える夜間や通信制のある大学院はどこ?
東京にある大学院がすべて社会人が通いやすいプログラムを提供しているわけではありません。以下では、社会人でも通える大学院をいくつか紹介します。
大学院名 |
プログラム・専攻 |
特徴 |
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東京都文京区にあり、2つの研究群に、12個の専攻が設置されています。オープンキャンパスをウェビナーで開催するなど、社会人が検討しやすいよう工夫されているのが特徴です。 |
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4つの学科で、社会人が学ぶ環境を提供しています。経済や現代の社会問題に関する課題の研究に取り組めるほか、経営に関することも学べます。学部によって、社会人向けの入試や企業派遣入試なども用意されていますよ。 |
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MBA |
グロービス経営大学院は、東京や横浜などの主要都市にキャンパスがある他、オンラインでも授業を受けられます。さらに授業振替制度と呼ばれる欠席をしてしまったクラスを他の時間に振り返ることも可能です。働きながらでも学びやすい環境が整っています。 |
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中央大学のビジネススクールでは、平日の夕方、土曜日と日曜日に対面授業を実施しています。平日の通学が難しい場合はオンラインでも対応可能。20〜60代とさまざまな年代の方が通っています。 |
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一橋大学で夜間に授業をしているのは、国際企業戦略研究科の経営法務コースと金融戦略・経営財務コースです。法学研究科はビジネススロー専攻で平日夜間に授業をしています。休日の授業がないため、休みの日は家族との時間を持ちたいと考える方にもおすすめです。 |
他にも社会人大学院はたくさんあります。気になる大学院は、資料請求をした上で検討してみましょう。今回紹介したグロービス経営大学院や中央大学ビジネススクールのインタビューを見たい方は、以下の記事もご覧ください!
●社会人として働きながら大学院に通うメリット
社会人として働きながら大学院に通うメリットは、以下の3つです。
- キャリアを中断する必要がない
- 仕事に関連したことを研究できる
- 新たな人脈が得られる
社会人大学院進学に迷っている場合は、以下を参考にしてみてください。
キャリアを中断する必要がない
働きながら大学院に通うことで、キャリアを中断せずに知識が得られます。大学院へ通うために仕事を辞める選択をしてしまうと、収入がなくなってしまいます。年間で数百万円得られるチャンスを捨ててしまうことになるでしょう。金銭的な不安を抱えて勉強しなければいけないため、負担も大きいです。
さらに、キャリアにも空白期間を作ることになります。大学院に進学している期間の中で、昇進するチャンスもあるかもしれません。キャリアを手放すことで、チャンスも不意にしてしまいます。
仕事に関連したことを研究できる
社会人大学院は仕事に関連したことを研究できることも大きなメリットです。ほとんどの社会人大学生は、仕事に関連するジャンルを勉強することが多いです。大学院では体系的に知識を得られます。
得られた知識をすぐに仕事に活かせるため、どんどん自分の知識が深まっていくでしょう。
新たな人脈が得られる
社会人大学院は、新たな人脈が得られます。普通に働いているだけでは、人脈は会社の中でしか広がりません。しかし、社会人大学院に通うことで年齢・性別・立場にかかわらず、同じ目的を持った人と出会えます。その道のプロである教授と出会えることも1つのメリットでしょう。
インタビューを受けていただいた方の中には社会人大学院に行って、新たな人脈が得られたことは大きいと話す人もいます。大学院で出会った仲間と一緒に起業をする方もいるほどです。学び以外にも人脈を得たいと考えている場合は、社会人大学院進学がおすすめです。
●社会人として働きながら大学院に通うデメリット
社会人として働きながら大学院に通うのは、メリット以外にデメリットもあります。デメリットは、以下の3つです。
- 学びと仕事の両立に苦労する
- 自由な時間が減ってしまう
- お金がかかってしまう
デメリットを踏まえたうえで、進学を検討しましょう。
学びと仕事の両立に苦労する
学びと仕事の両立には、苦労する可能性が高いです。仕事をしたあとに講義を受けたり、研究をしたりしなければいけません。仕事は定時で終わる必要があり、ビジネスの面で力を十分発揮できないため、歯がゆい思いを抱えることもあります。
ときには学びと仕事の両立をするために、睡眠時間を削らなければいけないこともあるでしょう。あらかじめシュミレーションをして、2年間きちんと学べるか想定しておくのが大切です。
自由な時間が減ってしまう
自由な時間が減ってしまうのも大きなデメリットです。勉強と仕事に追われてしまうので、休む時間が取れなくなり、ストレスが溜まってしまうこともあるでしょう。特に家庭がある方は家族との時間が取れずにトラブルになることもあります。
自分が休む時間はあらかじめ確保しておくのがおすすめです。家庭がある方は家族と十分に話し合って、どのように時間を取るか決めておきましょう。
お金がかかってしまう
大学院はお金がかかってしまうため、注意が必要です。大学院の初年度納入金は、80〜100万。私立の場合、100〜200万。通信制大学の場合、60〜100万円くらいです。
大きな金額が動きます。しかし、奨学金や教育訓練給付制度、教育ローンなどを利用すれば、負担を軽くできる可能性があります。学費に悩む場合は、制度の利用を検討しましょう。
以下では、奨学金について解説しています。
●働きながら通える大学院を選ぶコツ
働きながら通える大学院を選ぶコツを紹介します。
- 学び方は自分に合っているか
- 通いやすい場所にキャンパスがあるか
- 目的に合った講義をしてくれるか
東京の大学院でどこに通うべきか迷う場合は、参考にしてみてください。
学び方は自分に合っているか
学び方は自分に合っているかチェックしましょう。働きながら通う場合、以下の開講形態の大学院を選ぶのがおすすめです。
- 夜間開講
- 通信系
夜間の場合、平日の夜と土曜日の日中に開講されます。教授や同期と顔をあわせて学べるため、交流を深めやすいメリットがあります。
通信系は自宅からオンラインで講義を受ける形式です。遠方の大学院でも学べるメリットがあります。ただし通信制の中でも、スクーリング(対面授業)が必要な大学院があるため注意してください。
通いやすい場所にキャンパスがあるか
通学して学ぶことを考えている場合は、通いやすい場所にキャンパスがあるかチェックしておきましょう。職場や自宅から遠い場所だと、通学に時間がかかってしまいます。勉強時間が確保しにくくなったり、プライベートの時間を削ったりしなければいけなくなる可能性があります。
東京とひとくくりに言っても移動に時間がかかることもあるため、自宅や職場からの経路を調べてシュミレーションしておくのが大切です。
目的に合った講義をしてくれるか
自分の目的に合った講義をしてくれるかも見極めるときのポイントです。例えば心理学に興味があるにもかかわらず、大学名で選んでMBAに進学してしまうと、自分に合った知識が得られないため、時間と費用を無駄にしてしまいます。自分に足りない知識を洗い出して、どこが良いのか見極めましょう。
必ずしも大学院進学が最適な答えというわけではありません。現在では科目等履修生や公開講座などもあります。いきなり進学するのに不安がある場合は、そういった学び方も考えてみましょう。
以下の記事では、私が実際に大学院選びで実施した方法をまとめているので参考にしてみてください。
●社会人が大学院を継続するためのコツ
ここからは社会人が大学院通学を継続するためのコツを3つ紹介します。
- 転職のタイミングは見極める
- プライベートもきちんと確保する
- 学費で悩むなら国立大がおすすめ
それぞれ解説します。
転職のタイミングは見極める
社会人が大学院を継続するためのコツに転職のタイミングがあります。アウトプットするために、在学中に転職をするという方もいるかもしれません。しかし、両立には覚悟が必要なことは知っておきましょう。
実際にインタビューを受けていただいた森田さんは、在学中に転職を経験しています。森田さんは、大学院在学中の転職について以下のように語っていました。
大学院に定期的に通うとなると、どうしても仕事と向き合う時間が減ってしまい、人に仕事をお願いするのが当たり前のような状況になってしまったんです。仕事を良くするために大学院に通っているのに、仕事がないがしろになってしまうという、主従関係が逆になってしまったような感覚でした。
在学中に転職したこともあり、大学院での時間を優先するがあまりに、職場の人間関係の形成が後回しになったので、余計に大変でした。例えば、MBAに通う前から職場で人間関係が構築されていて、「この人はこれまで会社にこんなふうに貢献してきた人だよね」という信頼の土台がある状態だったらまた違ったんですが、転職したてなのでそういうのもなくて。自分自身のマネジメント不足を痛感しましたね。
引用:Elephant Career「大学院と仕事の両立はタフ、それでもMBAに行くべき理由。 早稲田大学経営管理研究科」
転職後忙しくなり、社会人大学院を休学せざるおえなくなることもあります。転職のタイミングを慎重に見極めましょう。森田さんのインタビューは、以下からチェックしてみてください。
プライベートもきちんと確保する
社会人大学院を継続するためには、プライベートもきちんと確保することが大切です。家族と過ごす時間を削るとすれ違いになったり、息抜きができずストレスが溜まってしまったりします。
早稲田大学大学院経営管理研究科を卒業した坂本さんは、意識的に家族との時間を作るようにしていたそうです。
—————娘さんとの時間を大事にしながら学ぶために、工夫していたことはありますか?
夜中にしか勉強しないってことですね。娘からしたら、今までと何も変わらない。起きている間はお母さんがちゃんと相手してくれる、その環境を守ることを意識しました。日曜日は家族デーとして、勉強はせずに過ごしていました。
引用:Elephant Career「挑戦と受け入れのバランス 早稲田大学大学院経営管理研究科」
上記のように事前に決めておくことで、トラブルも防げます。坂本さんのインタビューをチェックしたい方は、以下からご覧ください。
学費で悩むなら国立大がおすすめ
学費で悩んでいるなら国立大を検討してみてください。私立よりも国立のほうが、学費が安い傾向があります。お茶の水女子大学大学院へ進学した藤田さんは、実際に学費も大学選びに影響していたようです。
—————4年間の学費は、すべて自費でいらしたんですか?
そうです。奨学金という発想は初めからなかったです。オープンキャンパスに行って私学も検討したこともありましたが、学費が高いと続けられないと思い、必然的に国立の大学院に進学しようと思いました。
私が行ったお茶大の大学院には、長期履修制度というのがありました。最大4年まで在学できるという制度です。2年分の学費を4年で納めればよかったんです。今もこの制度があるかわかりませんが、この制度は有りがたかったです。
引用:Elephant Career「一度立ち止まって学んでもいいんじゃない!お茶の水女子大学大学院」
学費がネックな場合は、国立大学を選択して、奨学金なども検討するのもおすすめです。藤田さんのインタビューは、以下でチェックできます。
●まとめ
大学院に進学を検討するときは、通いやすいか立地も確認しておきましょう。東京に通うことが難しい場合は、オンライン授業の環境が整ったところを選んでみてください。えれキャリでは、社会人大学院に関する情報をメルマガ「Elephant Letter」で発信しています。気になる場合は、ページ下部のフォームから申し込みしてみてください!