挑戦と受け入れのバランス 早稲田大学大学院経営管理研究科

社会人大学院の経験談を紹介する「先輩インタビュー」
今回は、早稲田大学大学院経営管理研究科に在学中の坂本めぐみさんです。

大学卒業後、IT企業や芸能プロダクションで人事総務を経験。仕事で大きな壁を前にした坂本さん。子育てが始まりタイムパフォーマンスを意識する中で、解決策として選んだのが、巨人の肩に乗ることでした。どんな環境でも挑戦し、やりきったらその運命を受け入れる。そんなバランス感覚を大事にする坂本さんのインタビューです。



坂本めぐみさん

大学卒業後、IT関連企業にて人事・総務を経験後(トライアイズ)、大手芸能プロダクション(オスカープロモーション)にて人事部門立ち上げを担当。管理部門の立ち上げメンバーとして株式会社マクアケに入社。現在は、執行役員の品質保証本部長兼人事本部長を担当。

卒業・修了した大学・大学院:早稲田大学大学院経営管理研究科
入学年月(年齢):2022年4月
修了予定年月(年齢):2024年3月

全部を知りたい、全部を試したい

————— まずはご経歴から聞かせてください。

新卒で入社した会社は、管理部門と役員しかいない純粋持株会社の株式会社トライアイズです。もともと内定をもらった時点ではIT企業だったのですが、入社時には変わっていましたね。とても変化の激しい企業でした。

就活時点から会社の全体像がみえる場所で働きたいと思い、総務人事を志望していました。希望通り総務人事としてキャリアをスタートし、給与計算や株主総会の運営、採用までバックオフィス業務を一通り経験させてもらいました。

ただ、持株会社で現場とは離れたところで働いていたため、会社のビジョンや営業のひとの顔が見えないことにモヤモヤしていたのが正直なところでした。

その後、周りの人を笑顔にする仕事として、芸能プロダクションに転職をしました。一社目の経験を活かし、人事部門の立ち上げを任せてもらいました。どの会社も総務人事の仕事の基本は同じで、即戦力として働けたことは、大きかったですね。



—————
内定時に想定していたのとは違う環境からのスタートで、戸惑いはなかったですか?

あまりなかったですね。もともと運命思考が強く、どんなに努力しようとも抗えないことってあるよね、と受け入れることができるタイプです。ただそれと同時に、目の前にドアがあったら全部自分で開けたい!とも思う。全部自分でやってみて、それで招いた結果であれば、受け入れよう、いつもそう考えています。



————— まずは自分でやってみる、そして受け入れる。

そうです。計画に固執したり、変化を拒むようなことはあまりないですね。現職の株式会社マクアケに転職したのも、第一子を出産して自分のキャリア感に変化があったからです。大好きな娘が生まれて、一分一秒を意識して生きるようになりました。彼女がこれから生きていく世の中に対して、自分は何ができるだろう、と考えた時に新しいチャレンジや可能性がどんどん生まれていくそんなビジネスに貢献できたらいいなと思いました。

そんな自分の思いと、マクアケのミッション「世界をつなぎ、アタラシイをつくる」がすごく重なって。



給与担当から執行役員へ



—————では、マクアケさんでの仕事が社会人大学院への進学きっかけに

そうです。マクアケの中で新しいポジションを任せてもらうようになってから意識し始めました。

もともとマクアケには、給与計算担当でジョインしました。娘も生まれていたので、彼女との時間を最大限大事にしたいと思い、パートでもいいかなと思っていたくらいなんです。

実は、ここでも一社目と同様に入社後のとても大きな変化があって(笑)。私が入社したのは、株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングの時代で、上場会社の子会社として存在していた頃。共感できる素敵なミッションを掲げる会社で、20名くらいの社員の中で、自分の生活も大事にしながら働けたらいいな、と考えていました。

いい意味で予想に反して、その後会社は急拡大。現在は品質保証本部長兼人事本部長の執行役員として働いていて、その過程で「戦ってるスポーツが違う!」と痛感しました。



—————これはまた運命思考が役に立ちまくる激動ですね!

ベンチャーとしての立ち上げフェーズと、150〜200人というダンバー数を超えてからのフェーズとでは、戦い方が違う。そもそもやってるスポーツが違う。手当たり次第に本を読んでも、残業が全く減らない。このままでは大好きな娘との時間がなくなっていく...…!と危機感を感じていました。

秋山さんもインタビューの中で、巨人の肩に乗りたいと思った、と話してましたが私も同じことを思いました。目の前の壁を突破するには、今までの自分の引き出しでは太刀打ちできない。「何か非連続なことをしなくては!」と。



タイムパフォーマンスで考えたら社会人大学院がいちばん

—————では、その壁を超えるためにすぐに選択肢として社会人大学院が?

実は、夫が先に中央大学のMBAに通っていまして。彼をみて、引き出しが増えまくっている!短期間で大人ってこんなに成長するのか!と驚きました。もともと彼に大学院を勧めたのは私だったんですが、ここまで効果があるなら私も行きたいと思いました。

人事総務だと、セミナーや勉強会もたくさんあるんですが、なんせ質のいいものに当たるまでに時間がかかる。大学院は過去何年もの教授たちの試行錯誤の上つくられているプログラムで、質としては間違い無いだろうと。タイパを考えたら、他に選択肢はなかったですね。

入学後に教授から聞いた話ですが、社会人大学院も定員割れなど競争環境に晒されています。修了生が卒業後に活躍して、それがレピュテーションとなって大学経営に跳ね返ってくる世界ですから、まず授業の質を上げなくてはならないといっていました。



実務の悩みは、研究し尽くされている



—————大学院での学びは、何が一番印象に残っていますか?

どの授業も面白かったのですが、アカデミアという領域への発見が2つほどありました。一つは、教授陣は最先端のビジネスにも明るいことです。教授というと、何十年も前の理論を教えてくれる人という印象があるかもしれませんが、実は生徒達からビジネスの今を吸収しまくっていて、今まさに起きていることにも詳しい人たちでした。大学院は、アカデミアと実務が融合する場所なんですよね。

二つ目は、実務での悩みは大体が理論化されていて研究し尽くされていることです。入学前は、目の前で起きている現象としてしか捉えられなかったのが、それぞれに名前がつけられていて、共有言語で話すことができる。課題を捉えて解決するまでのスピードが格段に上がったなと感じます。



—————すっごくわかります。え、これも名前あるの?!と何度も驚きました。正しく調べれば、大体のことは糸口が見えてくるという自信に繋がりますよね。

そうなんです。だから、仕事と勉強を両立しているというより、仕事の課題を教授や大学の仲間を巻き込んで解いている感覚ですね。一緒に仕事をしてもらっている、早稲田大学というコンサルタントが付いた、そんな心強い環境でした。



家族との時間

—————受験勉強や資金面について教えてください。

実は新型コロナウイルス感染症の影響で、エントリーシートと面接だけの受験でした。それも後押しになって、今のうちだ!と勢い付いた経緯もあります。資金面は、完全に自費ですね。



—————会社やご家族への説明で困ったことはありましたか?

会社のメンバーは「娘さんとの時間がなくなるのでは!?」と優しく心配してくれましたが、暖かく送り出してくれましたね。他のコミュニティからは「もっと子育てが落ち着いたらでいいんじゃない?」と言われたこともありましたが、「今、目の前の課題を解決するために、今学びたいのだ!」と振り切りました(笑)。家族はもともと夫が大学院で学んでいたこともあり、びっくりすることもなく「絶対行ったほうがいいよ」と応援してくれました。同居している実両親もサポートしてくれて心強かったですね。今、残業している分の時間を勉強にあてて、よりクオリティ高い仕事ができるなら、中長期的にみても絶対にそっちの方がいいですよね。



—————娘さんとの時間を大事にしながら学ぶために、工夫していたことはありますか?

夜中にしか勉強しないってことですね。娘からしたら、今までと何も変わらない。起きている間はお母さんがちゃんと相手してくれる、その環境を守ることを意識しました。日曜日は家族デーとして、勉強はせずに過ごしていました。




学んだことを糧に、扉を開けつづける



—————今後のキャリアビジョンなどはありますか?

やっぱり運命思考なので、これだ!と決めた道をいくよりも、目の前のチャンスを掴み続けながら、振り返った時にこれでよかったと思えるようにしていきたいです。まずはマクアケのミッション実現に貢献することですね。



—————最後に、どんな人に社会人大学院を薦めますか?

どんな方にとっても良い学びは得られると思いますが、特にお薦めしたいのはベンチャーなどで現場から叩き上げで執行役員ポジションについた人ですね。一気にスポーツが変わるので、それに順応するためには学びは必須だと思います。

あとは、子育てしながらもキャリアアップしたいと思う人ですかね。全員にたいして、学びながらキャリアアップしよう!と言いたいのではなく、学びたいと思うなら大変だけど道はあるよってことを伝えたいです。私でよければ、いつでも相談してください。



—————キャリアのどのタイミングで学ぶべきか、迷っている人も多いと思うので、坂本さんのお話は間違いなく色々な方を勇気づけますね。今日はありがとうございました。



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