仕事も育児もやりたいことは諦めない。周囲の応援を得て単身赴任でMBAを取得  立命館大

働きながら学ぶ人を紹介する「先輩インタビュー」
今回は、外資系製薬企業に所属しているMさんです。 

大学卒業後、外資系製薬企業に入社し、MR(医薬情報担当者)として、地域医療連携や医療制度の動向を考慮した情報提供活動や会合の提案、運営に従事。 現在は、経営企画部門で医薬情報提供のサポートに尽力しています。 

プライベートでは1児の母親として、育児と仕事の両立に奮闘しながら、大学院に進学してMBA(経営学修士)過程を卒業。さまざまな業界業種の人々と日々意見交換も行っているMさん 入学までの経緯や大学院で得た学びについてお話を伺いました。

 

営業から経営へ視野を広げたいと単身赴任でMBA進学

———大学卒業後に現在の会社に入社されたのですね。

はい、医療関係の情報を提供することで人の役に立つような仕事がしたいと思い、MR職として入社しました。

 


————MBA に進学しようと思ったのはなぜ?

MR職だと組織全体を見る機会が少ないんです。自分の今の担当範囲とか、ちょっと近い周りの顧客、ビジネスパートナー的な人との関わりが多くて。一方で、市場開拓という立場に立つと、いろんな人と一緒に仕事をすることになります。組織全体で課題にどうアプローチしていくのか、周りをどう巻き込んでいくのか。自分に賛同して一緒に会社を良くしていく仲間も増やしたい、ということでマネジメントを学びたいと思うようになりました。

 


————すぐにMBA が選択肢として出てきたんですか?周りにMBAホルダーがいたとか? 

将来のキャリアを先輩に相談した時に、MBA取得のアドバイスをいただきました。先輩がMBAホルダーだったので、どういうことを学べるのか詳しく聞くことができたことの影響は大きかったと思います。

 


————金銭的なサポートがある会社が多いからですか? 

他の製薬会社を全部把握してないので詳しくは答えられないですけど、少なくとも私の会社にはそういうサポートはありませんでした。

 


————製薬会社は転職という選択肢があまりなくて 1 つの会社を勤め上げる前提で学びを考えているとか?

むしろ、逆だと思います。転職は多い業界だと思いますよ。特に、外資は多いような気がします。

 


————修了されたのは立命館ですが、ほかにはどこを検討しましたか?

当時、私は単身赴任で東京勤務をしていましたので、まずは東京の大学への進学を検討していました。慶応義塾大学は、MBA-MPHプログラム(デュアルディグリープログラム)という、公衆衛生学教育ならびにビジネスの双方に通じた人材を育成するプログラムがあり、2分野のホルダーを取得できるのが魅力的だったのですが、職場からキャンパスが遠いことなど条件が合わないため断念。

そこで東京で通学可能な距離で当時の入試選考が書類と面接だった、立教大学と中央大学の説明会に行きました。あと、将来、異動する可能性がある大阪で、通学可能な立命館大学も検討していました。

 最終的に受験校の決め手にしたのは、「指導を受けやすい少人数制、医療関係の授業がある、平日と休日で充実したカリキュラムがある」という仕事と勉強を両立して学べるかどうかでした。中央大学と立命館大学は、その決め手に合っていて卒業後に成長した自分をイメージできる魅力的な学校だったので受験しました。結果、中央大学は奨学金受領対象者として合格しました。立命館大学も合格したため、どちらに入学するか、かなり悩みました。

結局、将来の異動を考慮して、立命館大学へ進学しました。結果的に、コロナが緩和されたころに大阪へ異動になり、大学で対面授業も始まったので、仕事終わりに充実したキャンパス生活を送ることができました。

 


————クラスメイトはどういう方が多かったですか?

もちろん研究を深めたい、自分の職種を深めたいからという方もいましたが、将来的に自分をどう持っていきたいか?を補うために進学してきた方が多いように感じました。私も、研究は今の自分の職種の課題解決をテーマにしています。

 


————立命館には2つプログラムがあるんですよね。

1つはビジネスパーソン対象のマネジメントプログラムコース、もう1つは学部卒業生(留学生含む)対象のキャリア形成プログラムコースで、キャリア形成プログラムコースは実は中国や韓国からとか留学生の方が多いんです。たまに、一緒に授業を受ける機会があって、生活様式や流行、嗜好など留学生のリアルな声を聞くことで、文化の相違や広い視野での発想を考える良い機会でした。

業種も年齢も異なる仲間と忖度のない議論ができるのが面白い

————単身赴任でお子さんもいらっしゃって、大変だったのでは?

いえ、問題ありませんでした。大学院に行くことに対してはまったく驚かれませんでしたね。応援の方が多かった。

私が単身赴任をしたことで、お父さんを助けようとして子どもは家事手伝いを積極的にしてくれるようになりました。私が大学院のレポート作成や本を読んでいると、子どもも真似をして作文を書いたり、本を読んだりして勉強していました。

子どもには大人になっても、相手を思いやり協力する姿勢と学ぶことの楽しさを持ち続けてもらえたら嬉しいですね。



 

————会社に相談はしましたか?

会社の制度を調べたり、仕事と通学の両立ができるかどうか相談する上で、直属の上司にまず相談しました。上司は親身になって、一緒に社会人の受験方法の検索や必要書類の作成にも協力してくださいました。

 


————どの入試方式で受けられましたか? 

社会人の方々を対象にした入学試験は、学校によって様々な方式があります。私は、自己推薦型で、書類選考では、小論文や研究計画書を事前に提出しました。書類選考を通過すると、面接試験がありました。実は、面接の練習するアプリがあるんです!よく聞かれる項目が入っていて事前に面接の練習ができるので、それも使いました。

 


———1日の過ごし方は?

私は、1年次に平日18時半ー21時半迄の1科目授業を週1-2回受講していました。土曜日は、9時ー20時迄の3科目、日曜日は、9時-16時半の2科目を選択に応じて受講していました。そのため、土日は授業とレポート作成で、1日中勉強していましたね。

2年次は、課題研究に集中したので、指導教員から週1回のゼミまたは個別授業を受けていました。

学校により異なりますが、立命館大学の場合は、クォーター制で約2か月8回の講義で1科目を履修します。1年次の前期は主に基礎科目中心の履修、後期は展開(選択)科目中心の履修を行い、2年次は、前期後期共に、展開(選択)科目と課題研究(ゼミ)といった段階的な学修を行えます。

授業はコロナ禍だったので、自宅からオンラインで受講することが多く、すごく助かりました。通学の時間がないので、仕事終わりにすぐ授業に出席できる、そして授業終わりには、パシッとoffモードに切り替えて家事ができて心身の負担軽減になりました。

立命館大学では、ビジネススクールの学びをオンラインを取り入れて受講できる「立命館エッセンシャルズ」があるので、これからは仕事と勉学と家事の両立負担を軽減されて学びたい人の選択が広がると思います。また、科目履修生制度もあるので、学びたい内容を1科目から受講することもできます。



 
 

————これが 1 番の学びだったというのは何でしょうか?

1番の学びはいろんな業種、年齢層の人に出会えたことです。私は、製薬会社1社、1業界しか知らなかったので、本当に視野が狭かった。世の中にはいろんな人がいますけど、実際に話す機会ってそんなにないですよね? ましてや授業で1 つの課題を一緒にいろいろ議論するっていう経験はないので、すごく刺激になりました。

一線を退いた年齢が上の方が、人の3倍努力されて、ものすごい量の本を読んでいて、さすがだなって思いましたね。




————いろんな人とディスカッションするのが面白かったとかっていうことをおっしゃってる人もいますが、それについてはどうですか?

ディスカッションすることで、そういう考えもあったかと知る機会は貴重でしたね。会社だとどうしても「この発言をしたら後々ちょっとどうかな」と忖度しちゃうことがありますが、大学院ではあんまり気にせずに自分の意見を言えるので面白かったです。

会社の中でもディスカッションの機会はありますけど、どうしても同じ視点になりがち。大学院では社内とは全然違う視点からの発言も多くて、異業種の人の発想は良い刺激になりました。

目の前の壁を乗り越えれば新しくて広い世界が待っている!

————想定していた学びとのギャップはありましたか?

一通り学んだことと実践はまた違うなっていうのは正直あります。知っているのと使えるのは違います。授業を受けて学んだ後、実践でなんでもできるスペシャリティな人になれると思っていましたが、とんでもない(笑)。いまは基本知識は学んだけど、いきなり経営者としてやっていけるかはまた別なのかなと感じています。

 


————悪いギャップというより、そういうものなんだということが理解できたっていうポジティブな意味ですかね?

そうですね。学んだ知識の塊を、石に例えてみると、私はビジネススクールで経営学修士に必要な知識の石塊を荒削りでも作ることができた。その塊をどう磨いて輝きを放ち価値のあるダイヤモンド、つまりスペシャリティに仕上げるかは、これからの自分次第、だと思いました。




————それでもやっぱり行って良かったと思いますか?

はい。知ってるのと知らないとでは大違いです。知らないでいきなり飛び込むより、知った上でどうしていったらいいかを考えていくほうが道は早いと思います。MBAに進学した人に転職が多いのは、大学院で視野が広がっていろんなことにチャレンジしたくなるからかもしれません。

 


————卒業後、どんなキャリアを思い描いていますか?

人生のキャリアゴール(North Star)は『周りに流されず、自分で道を切り開けるスキルを身につけて心から楽しめる仕事をし続ける』です。

正直、そのために必要なキャリアデザインはまだ思い描けていません。実践で経験を積みながら考えていきたいと思います。

中短期のキャリアでは2つのステップを目指しています。

1つは、課題研究で提案したビジネスアクションを会社に提案して実行することで、今までのビジネススタイルに変化をもたらして波及効果につなげていきたいです。

もう1つは、マーケティング部で働きたいです。今までビジネススクールで学んだことを活用して、スキルを磨きたいと思っています。



 

————どんな人に社会人大学院を進めますか?

自分の今の環境を理由に進学を諦めてる方には、むしろ進学してみてくださいって言いたいですね。家庭持ってる方、子育てしてる方、年齢を重ねてもうじき定年退職を迎える方・・・「行ってみたいけど時間がない」「いまさら自分の歳で行くのは恥ずかしい」「いまから勉強するのはしんどい」とか。興味はあるのに一歩踏み出せない方が多い。「そんな中でもやった人はいますよ。やるかやらないかはあなたの気持ち次第ですよ」って伝えたいですね。

 


————壁を越えてほしいですよね。

やってみたらそんなに壁じゃないんですけどね。ちょっと壁を越えれば、その先にはワクワクするような世界が広がっています。もしかしたら、みんな自分で壁を作ってしまっているだけなのかもしれないと感じます。

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