学びなおしのきっかけとなった1冊、
学んでいるときの思い出深い1冊、
あるいは今まさに学んでいることに寄り添ってくれる1冊。
そんな1冊を先輩インタビューに登場してくださったあの人に聞いてみる連続企画です!
今回、本を紹介するのは...
筑波大学大学院 人間総合科学学術院 カウンセリング学位プログラム 博士前期課程を卒業された野上 智行さんです!
野上さんのインタビュー記事はコチラ
「結ぼれ」 R.D. レイン (著), R.D. Laing (原名), 村上 光彦 (翻訳)/みすず書房
この本には、修論やその他もろもろが大変だったときに助けてもらいました。研究で役立った実利的な本はいくつもあるのですが、この本は気持ち的に役に立ったものです。
私が修論をまとめて完成させるタイミングは、9月頃から年始にかけてでした。当時の私は育休中で、1歳の双子をワンオペでお世話していました。育児や家事をして、昼寝の合間に先行研究を探し、双子が寝てくれた夜に修論執筆をする生活でヘトヘトになっていた頃です。
結ぼれは随分前に人からもらったもので、たまに思い出して読み返していました。正直なところこの本は、人を選ぶところはありますが、心身ともにぐったりしていた私を違う世界にトリップさせてくれました。
何回読んでも人の奥深さのようなものを感じ、自分や他人、そこから広がる世界に心が飛んでいきます。大人としてしなくてはならないことに忙殺される日々に、研究がのしかかっていた状況から離れさせてくれる本です。
やる気を起こして、一心に頑張ることも大事ですが、積み上がるタスクから離れてみることで見えるものもあると思います。