学びなおしのきっかけとなった1冊、
学んでいるときの思い出深い1冊、
あるいは今まさに学んでいることに寄り添ってくれる1冊。
そんな1冊を先輩インタビューに登場してくださったあの人に聞いてみる連続企画です!
一橋大学大学院経営管理研究科を修了されたじゅたろうさんです!じゅたろうさんのインタビュー記事はコチラ
「経営戦略の思考法」エドガー・H・シャイン/英治出版
「経営戦略とは何か?」経営学を学ぶ人にとって重要な問いの1つではないかと考えます。本書はその問へのヒントおよび、あるべき戦略を描くための「思考法」を提案してくれます。
本書がユニークなのは、学術的な蓄積(ポジショニング・ビューやリソース・ベースド・ビュー等)を理論として整理しつつも、実務家に寄り添った議論を展開しようとしている点です。経営実務から一定の距離を置く経営学者が、実社会や実務にどのように貢献すべきか、筆者の矜持が感じられるところが私は好きです。
筆者の沼上先生は一橋MBAの恩師ですが、本書で提唱されている「メカニズム解明法」を駆使する授業でした。頭の中の箱庭で「こびと」を動かし、顧客や社員のリアルな動きを考慮して戦略を練る、このエクササイズは難しいながらも”人間が動かしている”市場や会社組織のダイナミズムを実感できます。
「戦略」という漠とした、しかしだからこそ面白いテーマに心惹かれている方へおすすめの一冊です。