「学びを仕事に活かしたい」一橋大学大学院経営管理研究科経営管理プログラム

社会人大学院への入学直前の方をインタビューする「社会人大学院 合格体験記」
今回は、一橋大学大学院経営管理研究科経営管理プログラムに入学予定の加登聡介さんです。働く中で自分自身の課題を見つけ、学びの必要性を感じた加登さん。大学院への進学を決意して準備を重ね、見事合格を勝ち取りました。どのようにして合格にこぎつけたのか、その道のりをお聞きしました。


加登 聡介さん

慶應義塾大学法学部を卒業後、新卒で調剤薬局運営会社に入社し、人事労務業務に従事。現在は人材サービス企業において評価・研修・採用業務の企画・運用業務に従事。2023年4月より一橋大学大学院経営管理研究科経営管理プログラム入学予定。

合格した大学・大学院:一橋大学大学院経営管理研究科経営管理プログラム
入学年月(年齢):2023年4月入学(30才)
修了予定年月(年齢):2025年3月卒業予定(32才)

仕事を通して成長したいという思いから、転職を経験

——今日はよろしくお願いします。実は今回、Elephant Careerのサイトにコメントを頂き取材させていただくことになったんですよね。えれキャリのことは、何時ごろから知っていただいているんですか?

よろしくお願いします。エレキャリは2022年の10月くらいに見つけて、そこからよく見ていました。エレキャリは経歴やその人の思いを丁寧にインタビューして発信しているので、いいなと思いました。



——ありがとうございます。発信している側としても励みになります。では、さっそくインタビューに入らせてください。まずはご経歴から聞かせていただけますか。

大学を卒業して、新卒で調剤薬局運営企業に入社しました。その後、転職し、現在は人材サービス企業で人事部にて働いています。4月から一橋大学大学院経営管理研究科経営管理プログラムに入学予定です。



——法学部を卒業して調剤薬局の運営会社に入ったというのが面白いですね。どのような経緯だったのですか?

私の親族が病院で働いていたので、医療には元々馴染みがありました。医療系含めて業種を問わず色々見たり面接を受けていく中で、その会社は自分に合っていて働きやすそうだなということで入社しました。入社後は人事労務の部署に配属されました。大学では政治学を専攻していたので、労務に関する知識がある方ではなかったのですが、適性を見ていただいたようです。給与計算業務のサポートをしたり、社会保険の手続きをしたり、福利厚生の担当もしたりしていました。



——労務寄りの人事だったんですね。その後転職されたとのことですが、転職先を決めた決めてはなんだったんですか?

転職活動中、今の会社の方と面接するときに、私のキャリアプランについても色々と相談に乗ってくれて。ここだったら私のやりたいことも大切にしてくれそうだなと思い、今の会社への転職を決めました。

 

失敗から課題を見つけ、大学院への進学を決心

——働かれる中で、どうして大学院に進学しようと思ったのでしょうか。

現業務で歯痒さを感じていたことがきっかけです。今の会社に入社して数年経った時、事務業務メインから企画業務メインに職務を少しずつ移行するに当たり、これまでの人事労務の経験だけだと解決できないことが多くなったんです。ある時、新たな企画業務を担当した際に自分の思う限りの最善を尽くしたにもかかわらず、結局まとめきれずに上司に対応してもらうことになり、悔しい思いをしました。そこから業務につながるような新たな学びを得ていく必要があると考えました。




——最初は悔しさだとか、自分の不甲斐なさを感じたところがきっかけだったんですね

そうですね。挫折というと少し大袈裟ですけど、失敗というか、力が至らなかったなということをすごく感じて、もっと力をつけたいなと思いました。

 

——難易度の高い業務に対しても、自責で考えられるのがすごいですね。人によっては、環境のせいにしちゃう人もいると思うんです。なぜ、加登さんはこのとき、もっと学ばなければ!と思えたのでしょうか?

あまり深く考えたことはなかったんですけど...。もっと勉強したいな、成長したいなという思いは元々自分の中にあったのだと思います。でも、何をすればいいのかがいまいち分からなかったんです。今回の仕事の失敗によって、自分の課題というものが見えて進むべき道がはっきりしました。なので失敗がいいきっかけになったなと思っています。

「なんとなくうまくいかないことがあるんだけど、それに対してどうすればいいのか分からない」という状況が、自分は一番つらかったんです。失敗を経験したことによって自分のやるべきことが明確になっている方が、私にとってはいいんだなと思います。



——なんとなくうまくいかない、モヤモヤしてる状況って一番つらいですよね…。今回の失敗によって自分のやるべきことがはっきりしたっていうことですよね。ちなみに今回の仕事の失敗について、今振り返ってみて「これが原因だった」という見立てはついてるのでしょうか?

まずは段取り不足ですかね。プロジェクトの進め方とか、人とどうあわせていくのかとか、そういうところを具体的に詰めきれていなかったというのはありました。あとは会社の人にどのように活躍してほしいという構想とか、そういったところも足りなかったのかなと思います。



——なるほど…。でもそこまで分かっているんだから、あとはやるだけですもんね。課題に直面して自分が変わらないといけないって思ったときに、最初から大学院進学が頭に浮かんでいたんですか?

いえ、最初は社労士などの人事系の資格を取ろうかなと思っていました。ただ、現状を踏まえると自分に足りないのはそういった知識よりも、経験だと感じました。経験を効率的に積み上げるためには、経営全体の理論などの別の学びが良いかなと。そこで色々調べているうちに、MBAに行き着いたんです。

 

——まずは周辺領域の資格から取ろうとして、そこから大学院進学へと舵を取ったわけですね。大学院についてはどのようにリサーチしていたのですか?

元々MBAについては興味があったので、大学院全般というよりもMBAのワードで検索して調べていました。当時、MBAといえば海外の大学のイメージでした。でも海外は学費が高いし、支払ったお金に対してどれだけリターンがあるのかなと考えていくとちょっとハードルが高いかなと思って、そこで国内のMBAを見始めました。国内のMBAでも私がやりたいこととか、私の課題意識に合ったものが学べると思ったので、じゃあ受けてみようかなと決めました。



——経営の勉強=MBAという知識はあって、そこから調べていったということですね。大学院を受験するにあたって、最初から一橋大学大学院に決めていたんですか。

いえ、元々一橋を受ける予定ではなかったんです。最初は私は人材組織の研究とデータ分析をやりたかったので、研究とデータ分析に強い筑波大学大学院を検討していました。



——そうだったんですね。ちなみに人材組織の研究とデータ分析の分野でいうと立教LDCも候補に入る気はするんですが、立教LDCも検討されなかったんですか?

そちらも検討しました。立教の説明会で秋山さんがお話ししているのも聞いたことがあります。(笑)



——ありがとうございます(笑)。でも立教は、違うと思われたんですね。

そうですね。立教は確かカリキュラムの最後でクライアントに対して理論を元にしてプロジェクトを行い、そこを効果測定してっていうのがあって。そこが自分はちょっと違うなと感じたんです。これは私自身の個人的な考えなんですが、理論を実務にそのまま落とし込もうとすると、どうしても乖離が生まれるのではないかと考えていました。だから理論と実務をある程度切り離して学べるところに行きたかった、というのはあります。



——— なるほど。立教LDCってそう見られることもあるんですね...。実際は、理論を現場に当てはめにいくってスタンスではなくて、現場で起きている事象を正確に捉えるために理論を補助線にするって感覚が近いです。ここはちゃんと言っておかないとと思って、補足させてください!

なるほど、そこは説明会では理解し切れなかった部分でした。あと結局筑波に関しては、他の学校とも比較してカリキュラムや雰囲気が最終的に私とあまり合わなさそうだなと思って、結局受験しなかったんです。

 

——そこから最初は行くつもりのなかった一橋大学大学院に決めたのはなぜなのでしょうか?

当時通っていた予備校の先生と話していたときに、一橋の名前が挙がったんです。面談の際に志望校をどこにしようか迷っているっていう話をしたら、「加登さん一橋合いそうだから受けてみたら」って言われて。そこから色々調べていくと、カリキュラムも面白そうだし、一橋に行ったという方のブログを見ても評判がよさそうだし、それなら受けてみようかなと決めました。




——一橋以外にもどこか受験はしたのですか?

有名な夜間のMBAを何校か受験しました。結果、落ちたり受かったりでしたが、一橋に行きたかったので、そこに合格した時点で受験は終了しました。




最初は独学で準備するも、限界を感じ予備校に通う

——受験準備についても教えてください。大学院に行くことを決めてから、すぐに予備校に通われたのですか?

いえ、元々自習して準備していました。ただ、中々志望校合格に近づいていない感覚があったので、予備校に通いました。



——そうだったんですね。最初は自習していたということですが、どのようなことをやっていたんですか?

予備校が出している参考書に取り組んだり、ネットの情報を見たりして勉強していました。あとは見よう見まねで論文にも取り組んだりもしたんですが、それらが果たして合格につながるような学びになっているのかが、いまいち分からなかったんです。それで自習だけだと限界があるなと感じて、予備校に通うことを決めました。



——自習に取り組み始めた時期や、予備校に通い始めた時期はいつ頃だったのでしょうか。

受験しようと決めたのが3月で、そこから自習を始めました。1ヶ月くらい自習して、やっぱり自習だと無理だなと思って、4月から予備校に通い始めました。



——やはり予備校に行くと違いましたか。

そうですね。講師の方は今まで何人もの受験生を見てきているので、どういう人が受かるよみたいなノウハウももっていて、正直かなり助かりました。



——定着度で言うとどうですか。予備校に通ったおかげで小論文がうまく書けるようになった、とか。

自分の準備不足もあり、小論文はあまりうまくいかないまま受験に突入してしまいました。定着度で言うと、理論に関してはテキストで繰り返し学んだおかげでかなり理解できたなと思います。

 

大学院での学びを周囲に還元したい

——大学院に入ったらどのようなことをやりたいか教えてください。

まずは、一番の目的であった人材組織の研究やデータ分析能力の習得を頑張りたいです。あとは、先生・同級生・先輩後輩など色々な人たちと繋がって、人的ネットワークの形成を実現したいですね。



——2年後、修了したときに成果をぜひまたインタビューさせてください…! 加登さんは受験を終えられた今、ちょうどフレッシュな状態だと思うんですけど、大学院進学を迷っている人たちにはなんと声を掛けますか?

まだ行ってもいないので偉そうなことは言えないですが、迷っているならチャレンジ一択だということを言いたいです。選択の結果が失敗でもそれはそれで学びだと思います。気になっているのであれば、まずはチャレンジしてみてほしいなと思います。



——失敗から学ぶという加登さんの前向きなところがすごくいいなと思いました。

ありがとうございます(笑)。前向きさと柔軟さでなんとかやっています(笑)。



——負けない、折れないっていうところはとても大事ですよね。合格したときはどんな気持ちでしたか?

合格通知をもらうまでは、正直合格は厳しいなと思っていました。試験官との面接のときに、一つ完全に返答を間違ってしまったのがあって。だからあんまり期待しないでおこうと思ったんですが、それでもやっぱり受かっていたいなという気持ちもあって、色々な気持ちが入り混じった状態でした。だから合格が決まったときにはとても安心しました。周りにも大学院を受験することは言ってあったので、上司とか家族にも合格したことを報告しました。周りからもよかったねと言ってもらえました。



——周りの人たちにも喜んでもらえたんですね。受験するときに周りから反対とか。「ちょっと今仕事忙しいからさ…」みたいな渋い反応みたいなものってありましたか?

そうですね。完全な反対というのはなかったですね。現在の上司の方は大学院に行ったことがある方だったので、理解がある方でした。上司に感化されたのかは分からないですけど、最近私の周りで経営学の研修を受講し始めた方もいらっしゃいます。学びが伝わっていると言うか、伝播しているのかなとは思います。



——加登さんの学びが伝わって、周りの方も動き出している感じがいいですね。今後のキャリアビジョンについてはいかがですか?

今の会社や、会社で一緒に働いている人が好きなので、まずは学んだことを周りに還元したいと思っています。あとは、私は何事もご縁だと感じているので、MBAを通じて色々なご縁に出会えたらいいなと思っています。



——素敵です。

いえいえ(笑)。正直そういうところ以外、あまり入ってからのことを考えられていないというのがあるんですけど。4月に入学するので、そこまでの準備に追われ始めていて。入学前の課題があるのでそれをやったりしています。



——事前に少しずつ準備されているんですね。入学までに不安なこととかってあるんですか?

入学前にどこまで準備したらいいんだろう、というのは感じています。今は大学院から言われたことを主に準備しているんですが。逆にこれやっておいた方がいいよっていうことは何かありますか?



——そうですね…まずは体力つけておくことがとても大事だと思います!

なるほど…! 確かにそうですね。体力をつけたり体調を整えたりというのはやらないといけないですね…。



——あとは宅食契約したり、ネットスーパーを見ておいたりとかですかね。多分勉強は大学院入ってからたくさんやると思うので、身の回りの生活を整えておいた方がいいのかなと思います。

確かに…! ありがとうございます。勉強と仕事を両立させるための、他の身の回りの準備は大事ですよね。4月からいいスタートを切れるように、そのあたりも準備しておこうと思います。



——4月からがんばってください! 本日はありがとうございました。 

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