学費と奨学金



社会人大学院への入学準備7ステップの第三弾では「お金ってどれくらいかかるの?」という疑問にお答えしていきます。

大学院で学びたいと思っても、志望校の学費を見て躊躇する人が多いのではないでしょうか。トータル250万円超えもあり得るお金は、将来への投資と考えてもやはり大きいもの。学費以外にも入学準備時から、様々な出費がかさみます。特に一度仕事を辞めてデイタイムの大学院に通う場合は収入が途絶えるため、生活費についても十分考慮する必要があります。

でも資金不足だからと諦めるのはまだ早い! 奨学金や教育訓練給付制度・教育ローンなど、多くのサポートが用意されているからです。独自の減免制度を設けている大学院もあり、これらの手段を有効に使えば負担を軽減できます。

まずは学費とその他を含めた総額をざっと計算して、マネープランを立てるところから始めてみましょう。


費用の概要をつかもう

受験対策や入学後の交通費、授業や論文作成に必要な書籍代まで、学費以外にかかる費用を見逃していると予算オーバーに悩むことになりかねません。またコロナ禍の規制が徐々に緩和されつつある中、ゼミ合宿や対面でのフィールドワークなどが再開される可能性もあります。以下の費用概要を参考にチェックしてみましょう。



予備校or独学で幅がある受験対策費用

書籍代

入試に備えて関連分野のビジネス書はしっかり読んでおきたいものです。ビジネス書は1冊平均3〜4千円程度。読書量を増やすためにも、単行本より若干安価な電子書籍の活用をおすすめします。

洋書を含む200万以上のタイトルが読めるAmazon kindle Unlimited、マンガだけでなくビジネス書数万タイトルを含むシーモア読み放題など月額サブスクも利用してみましょう。いずれも無料体験期間やキャンペーンを設けていますので要チェックです。

電子書籍で入手できない本は図書館利用を。国会図書館などから最寄りの図書館に配送してくれる図書館間貸し出しサービスも、多少手間や時間はかかりますが費用削減には役立ちます。

予備校費用

独学での入試準備に不安があるなら、予備校に通うことも選択肢のひとつです。モチベーション維持や学習効率アップにも効果的でしょう。

大手予備校として知られるアガルート河合塾KALSのMBAコースを例に予備校費用を見ると、アガルートは経営学基礎・小論文添削・研究計画書の書き方・面接対策までのフルカリキュラムで40万円超、フルから小論文添削だけを省いたライトカリキュラムは30万円超。河合塾KALSでは、経営学基礎知識と小論文論述・論理的思考醸成・面接対策・研究計画書指導を含む最も安価なベーシックコースが25万円超、国公立と早慶併願者のためのパーフェクトコースが40万円近く(入会費を含む)となっています(金額はすべて2022年6月現在)。

比較的安価な予備校もありますが、相場として平均30万円前後を見込んでおきましょう。

小論文添削

基礎知識や研究計画書は独学するとしても、多くの人が不安に感じるのは小論文です。日常的に業務で文章を書き慣れている人は別として、決まった時間内にテーマに即したまとまった文章を書く能力を身につけるには、ある程度の練習が必要です。

フリーランスワーカー登録サイトには「小論文添削」のキーワードで検索すると、塾講師経験者や博士課程修了者・編集記者など様々な経歴のワーカーがヒットします。時給1000円程度から添削1本につき1万5千円以上のワーカーまで料金は幅がありますが、適格なワーカーが見つかれば多くの予算を割かずに小論文の練習が可能です。

この他にも、外国語が試験科目に含まれている場合やTOEICスコアの提出が必要な場合は外国語の学習費用が必要になる可能性がありますね。



学費はまず初年度に必要な分を確保

学費は国公立のほうが安いという先入観を持っている人が多いのですが、必ずしもそうとは言い切れません。国立も独立行政法人化により授業料が自由化されたため今後変動する可能性がありますし、同じ分野の私立でも大学院によっては国公立より安いところもあります。

また学部卒業生の入学金を免除する大学院も多いため、出身校の制度をチェックしてみましょう。



意外とかさむ通学交通費

入学して学生証が発行されれば、通学定期が購入できます。平日数回と土曜日に毎週通うことを考えれば、利用するほうが節約できるでしょう。

また、遠隔通学の場合はかなりの費用がかかります。例えば東京在住者が金曜夜と土曜の授業のため、京都の大学院に通うとします。金曜夜の授業は21時まで、土曜も午前中の授業を取っていれば、京都に宿泊するしかありません。ざっと見積もって、(往復の新幹線代26,640円+金曜夜の宿泊代約6千円)×4回=13万円ほどが1ヶ月当たりの交通費になりますね。

2年制の場合、初年度で単位を相当数取得しておけば2年目の通学頻度はかなり下がります。まずは初年度の交通費を計算しておきましょう。



学費サポート制度を利用しよう

このように様々な費用がかかる大学院進学ですが、学費は奨学金・教育訓練給付制度などのサポート制度を利用して抑えられます。

奨学金

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の他に、民間団体や公共団体の奨学金、大学院独自が設けている奨学金などがあります。返済義務が伴う貸与型だけでなく、成績優秀者を対象にした返済の必要がない給付型などもありますので、よく調べて活用しましょう。

日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金には、無利息の「第一種奨学金」と利息が発生する「第二種奨学金」があります。第一種の中には、一定収入が得られるまで返還期限を猶予する「所得連動返還型無利子奨学金」も。第二種の選考基準は第一種よりも緩やかなため、比較的スムーズに採用される可能性があります。

企業や個人が設立した財団法人などの奨学金は、条件や金額も多様なため大学院の窓口に問い合わせるのが早いはず。県・市町村など地域の公共機関が設けている奨学金は、地元在住者やその家族に貸与するものが多いようです。

教育訓練給付制度

修了後に学費の一部が戻ってくる、雇用保険制度をベースとした制度です。「一般教育訓練給付」と「専門実践教育訓練給付」の2種類があります。特に後者は、一定の条件を満たせば最大で受講費用※の70%(年間上限56万円・最長4年)が支給されるうれしい制度。ただし対象となるのは、厚労省が指定した大学院や講座だけです。自分が志望する大学院や専攻が該当するかどうか、確認しておきましょう。

※入学金+受講料

教育ローン

日本政策金融公庫の融資制度や労働金庫のローン、民間金融機関の教育ローンの他に、一部の大学院には民間金融機関と提携して提供するローンが設けられています。審査は比較的通りやすく、金融機関から直接借りるローンより利息も抑えめ。検討の価値ありです。

単位制学費

仕事やプライベートの事情により最短修業年数内で修了するのが難しいと判断したら、この制度を利用しましょう。年間授業料として学費を払うのではなく履修単位数に応じて学費を支払うため、例えば修了に3年かかっても本来の2年分の学費に近い金額に抑えられるのです。この制度も、志望する大学院で実施しているかどうか確認が必要です。

割引制度

学部卒業生への入学金免除、成績優秀者や資格保有者など条件を満たした学生への学費免除や割引などは多くの大学院が用意しています。中には、出産や育児・介護で休業中の人やシングルペアレントへの減免を設けるユニークな大学院も。志望校の制度をよく調べてみましょう。



社会人が大学院で学ぶための費用と利用できるサポート制度について、概略をご紹介しました。大学院に使える金額はそれぞれの職場環境やライフステージ・価値観などによって異なりますが、学びとお金をトレードオフにせずに済む道がきっと見つかるはずです。丁寧に情報をチェックし、プランを立てていきましょう。



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