[手遅れにならないために] 社会人大学院のメリット・デメリット


こんにちは、Elephant Career代表の秋山です。

私は、都内の理系大学を卒業したのち、 ITベンチャー企業に就職し、3年目から人事として評価報酬制度やキャリア開発などを担当してきました。就職してから、ほぼ倍のスピードで拡大していく組織に対し、現場で得た経験や学びだけでは人事として事業を引っ張っていくに足りないと考え、立教大学の人材開発・組織開発を専門に学べる大学院に進学しました。

また、社会人大学を修了するタイミングでElephant Careerを立ち上げ、国内外100人以上の社会人大学院生にインタビューを行ってきました。

この記事では、実際に修士課程で社会人大学院に通い、また複数人の社会人大学院生にインタビューしてきた経験を持つ私が、社会人大学院のメリットデメリットについて具体的に語ります。



社会人が大学院に行くことについて

岸田首相は、2022年10月にリスキリング(学び直し)支援に5年で1兆円を投資する考えを示しました。国も注目するリスニング、なぜこんなに盛り上がっているのでしょう。

その背景は、以下の2点です。

  1. 技術革新・ビジネス環境の急速な変化に伴う人材不足
  2. 平均寿命が伸び働き続ける必要がある(人生100年時代)

また、コロナによって自宅時間が伸びたことで余暇時間の見直しを行う人が増え、社会人大学院の入試倍率はここ数年右肩上がりです。これらの動きから、社会人大学院への進学はさらに注目されることが予想できます。

リスキリングについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。




メリット1 キャリアを中断する必要がない

国内・社会人大学院の場合、多くが働きながら学ぶことが可能です。仮に仕事を辞める場合、修士2年、博士3年なので、年収600万の人であれば1200-1800万を逃すことになります。

収入を得ながら、平日夜と土日で学ぶことができる社会人大学院は、家族がある人や昇進を目指す人にとって大きなアドバンテージと言えます。



メリット2 実践的な専門知識が手に入る

過去のインタビューで、同僚からこんなことを言われたという人がいました。「仕事のことは仕事から学べるのだから、なぜわざわざ大学院にいくのか?」と。

私は、この同僚の指摘は半分正しく、半分間違っていると思います。大人は仕事から多くのことを学びます、突き詰めれば大人は仕事(育児や介護なども含む)でしか成長しないとも言えるかもしれません。

しかし、仕事の学びはとても帰納的で、経験からしか学べないことがデメリットです。良い経験には時間がかかります。

一方、大学院での学びは体系化された学術領域を演繹的に学ぶのが特徴です。テーマや理論を深く理解するために、ケーススタディなどを用いて実践に応用可能な形で学びます。こうした学びを通して、まだ仕事では対面したことのない課題であっても、課題を正しく捉え解決策を作ることができます。

失敗が許容されない変化の激しい現実世界から離れ、試行錯誤できる社会人大学院という環境は、大人の学びにとって他には代替しがたい貴重な環境だと感じます。



メリット3 仕事の課題を解決できる

学生と社会人の学びの大きな違い、それは「課題」を持っているかどうかです。もちろん、学生の頃から志や課題をもって学ぶ人もいると思いますが、きっと多くの大学生は学歴やちょっとした興味関心で進学先を選んだのではないでしょうか。かくゆう私は飲み会ばかりの大学生でした。

一方、数年まじめに働いてみた社会人には「なぜこのプロジェクトはうまく行かないのか」「もっと上手くやるにはどうしたらいいのか」という、生きた課題を持った人が多いはずです。

この「生きた課題」を解くためのヒントをくれるのが、大学院というところです。仕事という課題は、実に複雑に絡み合っています。戦略・ファイナンス・マーケティング・組織など、たくさんのレバーが存在し、どれか一つで解決できることは稀です。

この複雑に絡み合った課題を、授業や課題で得た知識を使って、その日・その瞬間から解決できるなんとも美味しい場所なのです。

インタビューの中で「あなたにとって社会人大学院とはなんですか?」という問いに対して、「人生・仕事のコンサルタント会社です」と答えた方がいました。すごく的を得ているなと思います。



メリット4 会社以外のコミュニティが持てる

日本で最もMBA生を世に送り出しているグロービス大学院の教育理念の一つに、人的ネットワークの形成があります。

人的ネットワークとは単なる知り合いや人脈ではなく、以下のような仲間を指します。

  • キャリアに対する打算抜きの率直なアドバイス
  • 会社や事業に対する素朴で本質的な質問
  • 自分の強み、弱みにおける想定していなかったフィードバック

インタビューをしていて「大学院にいって得たものはなんですか?」という質問に対して、最も多かった回答は「一緒に学んだ仲間」でした。私も、大学院はサードプレイスだと感じています。

同じ会社の中で評価される同僚とは違い、様々なバックグランド・価値観・年齢の人たちと評価関係なく忌憚のない議論を交わすことで芽生える仲間意識は、仕事では絶対に得られないものだなと感じます。

転職に誘ったり、一緒に起業したり。人生の節目に社会人大学院の仲間あり、と語る人も多くいます。



メリット5 土日も働ける体になる

これはメリットなのか、という感じもしますが、本当のことなので紹介しておきます。平日夜間・土日も何かしら動き回っている2年間を過ごすと、何もしてない時間がそわそわする体に仕上がります。

そのまま博士後期課程に進学したり、転職して激務のコンサルに飛び込んだり、起業したり、副業したり。選択肢はさまざまですが、修了後も忙しなく動き回っている人が大半です。



デメリット1 常に睡眠不足

社会人大学に進学すると、常に寝不足になることは覚悟しなければいけません。仕事から帰ってきても休息を取る時間がなく、大学院の課題や研究、講義などに追われます。

睡眠時間を削って課題などを終わらせる必要も出てくるほど、忙しくなるでしょう。



デメリット2 家族との時間が取れない

前述したように、社会人大学院生活はかなり多忙なので、家族との時間も取りにくくなります。まずは自分がどこまで家族に時間を割けるのか考えてみましょう。そして、事前に家族との時間をどのように取っていくか、どれくらい家事ができるのか、話し合っておくと後々のトラブルを回避できます!



デメリット3 休学のリスク

せっかく社会人大学院に入学できたとしても、休学せざるを得ない状態になることもあります。例えば、本業が多忙になったり、転勤や移動により通うのが難しくなったりするなどです。この場合、休学をしたとしても、復帰するのが難しく中にはそのまま自主退学するパターンもあります。

自分の環境が変わることで、休学するリスクもあることは知っておきましょう。



デメリット4 お金がかかる

社会人大学院は、お金がかかることも大きなデメリットです。国公立の大学院に進学するとしても初年度は80万円程度納める必要があります。さらに、受験準備で予備校に通う場合はその学費もかかります。

大きなお金が動くため、進学はしっかり検討しましょう。このようにお金がかかる社会人大学院ですが、奨学金などを利用すれば費用を抑えられます。奨学金について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。




まとめ

いろいろ書きましたが、社会人大学院生100人にインタビューしてみて、「おすすめしない」と答えた人は0でした。そう、ゼロです! どんな環境でも、目的でも、学んで後悔している人はいません。

ちょっとでも気になるひとは、是非飛び込んでみてください。エレキャリでは、いつでも相談受け付けております!




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