こんにちは、Elephant Careerの秋山です。
働いている方の中には、働く目的ってなんだろうと疑問に思った経験がある人もいると思います。ふと立ち止まって働く目的について考えるとわからなくなってしまいますよね。
そこでこの記事では働く目的とはどのようなものなのか解説します。見つける方法や面接で聞かれたときの回答のコツなども紹介するので、就職・転職活動中の方も参考にしてみてください。
●そもそも働くことに意味はある?
そもそも働くとは、対価を得るために仕事に従事することです。大辞泉では以下のように解説されています。
仕事をする。労働する。特に、職業として、あるいは生計を維持するために、一定の職に就く。
引用:小学館 大辞泉
しかし、実際には人によって働く意味や目的はさまざまです。中には答え方に迷ってしまう人もいます。働く意味や目的を答えられるようにしておくと、転職などの人生の分岐点に立ったときに役立ちます。
●「国民生活に関する世論調査」から見る働く目的ランキング
ここからは、令和6年3月に発表された「国民生活に関する世論調査」の結果から見る働く目的4つを紹介します。
- お金を得るため
- 役割を果たすため
- 生きがいを見つけるため
- 自分の能力や才能を発揮するため
他の人がどのような目的で働いているのか気になる場合は、参考にしてみてください。
参考:内閣府政府広報室「「国民生活に関する世論調査」の概要」
1.お金を得るため
令和5年11月の調査でもっとも多かった意見は、64.5%「お金を得るため」でした。一つの価値観であり、決して間違いではありません。お金を目的に働くことで、モチベーションを維持しやすくなり、趣味や好きなことにも投資できる余裕ができます。
お金を稼ぐことだけを漠然と目的にしていると、どこまで頑張り続ければいいのかわからず、次第に疲れてしまいます。お金を目的にするのであれば「◯歳までに、年収〇〇万稼ぐ」など、具体的にすると目指す姿がより明確になります。
2.役割を果たすため
次いで多かった意見は、10.8%の「役割を果たすため」でした。自分の役割を理解して、果たし、人とのつながりを感じて充実感を得る人もいます。他社からかけられる「ありがとう」の言葉が、モチベーションになっていることが多いでしょう。
自分が社会に対してどのような役割があるのかを明確にすることで、目的に向かってまっすぐ仕事に向き合えます。
3.生きがいを見つけるため
「生きがいをみつけるために働く」という意見も12.8%ありました。働くことを通して、自分の経験値を高めていき、生きがいを見つけていこうとしている人もいます。1つの会社に長く勤めている場合でも、部署によって担当する仕事はまったく異なります。
労働を通して多くの経験ができるため、小さなきっかけが生きがいになることもあります。生きがいをうまく見つけるためには、今まで楽しかったことなどを振り返ったり、新たに挑戦したりするのもおすすめです。
4.自分の能力や才能を発揮するため
国民生活に関する世論調査で4番目に多かったのは、7.2%の「自分の能力や才能を発揮するため」でした。自分の能力がどのぐらい社会に通用するのか力試しの意味合いで働いている人もいます。自分の持っているスキルや能力が発揮されて評価されれば、昇進・昇格につながるため、モチベーションも維持しやすいでしょう。
自分の能力や才能を発揮するために、どのくらいの時期にどのようなスキルを得ておくのか計画しておくと、スムーズに成長できます。
●働く目的がわからなくなっている理由
働く目的がなんなのかわからなくなっている方も中にはいます。働く目的がわからなくなっている人の主な理由は以下の4つです。
- 働くことが好きではない
- 自分に向いていることがわかっていない
- 働く目的を無理に探そうとしている
- 興味のない分野の仕事を探している
それぞれの理由を解説します。
働くことが好きではない
働くことが好きではない場合、目的がわからなくなってしまうことが多いです。毎日8時間好きではないことをするのは誰でも辛いものです。なんのために働いているのかわからず、退職してしまう可能性もあります。
働くということは、その会社でしかできないわけではありません。転職をして別の職業を経験することで好きになる可能性は高まります。転職・異動などをしてみて、仕事が好きになれないか工夫してみることも大切です。
自分に向いていることがわかっていない
自分に向いていることがわかっていない場合も、働く目的を見失ってしまう理由の一つです。特に自己分析を曖昧にして、会社に入ってしまうとうまく能力を活かせず苦しんでしまう可能性があります。うまく力を発揮できず、自分はダメな人間だと思い悩んでしまいます。
まずは自己分析をして、自分に何が向いているのか明確にするところから始めてみましょう。向いている仕事をすると、目的が明確になってくることもあります。
働く目的を無理に探そうとしている
働く目的を無理に探そうとして、うまく見つけられずにいるパターンもあります。無理に探そうとしても、働く目的はなかなか見つかりません。なぜなら、見つけなきゃと焦ってしまうあまり、迷いが生じてしまうためです。
働く目的は、さまざまな経験を通して見つけられることもあります。視野を広くして新しいことにチャレンジしてみるのがおすすめです。焦らずゆっくり探してみましょう。
興味のない分野の仕事を探している
興味のない分野の仕事を探している場合も、働く目的を見失う理由となります。なんとなく人気がある職業だから、〇〇が受けている職種だからという理由で就職してしまうと、働いているうちに目的を見失ってしまいます。目的を見つける近道は、何をしたいのかを明確にすることです。
何をやりたいのか、自己分析をして見つけてみましょう。現代では多くの情報がありますが、参考にする程度にして自分軸で考えるようにしてください。
●働く目的を見つけるメリット
働く目的を見つけるメリットは、以下の5つです。
- モチベーションを維持できる
- 仕事選びに役立つ
- 自分が目指す姿が明確になる
- 仕事に楽しさを感じられる
- ストレスを軽減できる
働く目的を持つことに抵抗感がある場合は、メリットを参考にしてみてください。
モチベーションを維持できる
働く目的を見つけることで、モチベーションを維持しやすくなります。自分のなりたい姿が明確になるため、頑張る理由ができるでしょう。
例えばお金のためと目的を定めた場合、「◯年◯月までに△△万円稼げるようになる」という目標ができます。それに向かってスキルや知識の習得を積極的にできるようになり、どんどんレベルが高くなっていきます。
働く目的を見失ったままだと、なんのために頑張ればいいのかわからなくなってしまい、仕事も楽しくなくなってしまいます。
仕事選びに役立つ
目的を明確にしておくことで、仕事選びの役に立ちます。仕事選びの軸が固まるため、判断基準が作れます。自分の能力を発揮するために働くという目的であれば、今あるスキルを洗い出して、活かせる職業を探せるでしょう。
目的を設定しないまま仕事選びをしてしまうと、ミスマッチが生まれる可能性があります。離職につながるため、転職・就職活動をしている場合は目的を明確にしてみてください。
自分が目指す姿が明確になる
働く目的を持つことで、自分が目指すべき姿を明確にできます。なんのために頑張るのか理解することで、自分がどのような人間になりたいのかもわかってきます。例えば働く目的が役割を果たすためであれば、「◯◯を果たせる人になる」と目指す姿を描けるでしょう。
自分の目指す姿がモチベーションにもつながってきます。
仕事に楽しさを感じられる
仕事に楽しさを感じられるようになります。目的を持つことで、1つ1つの作業も意味のあるものになっていくでしょう。自分で掲げた働く目的を叶えるために今ある作業をすると考えていると、楽しくなるはずです。
働く目的を持たないままだと、業務もただの動作になってしまいます。意味がないものになってしまうでしょう。自分でもなぜこの作業をしているのかわからなくなり、仕事がつまらなくなります。
ストレスを軽減できる
働く目的を作ることで、ストレスを軽減できます。目的に向かってまっすぐ努力できるようになるため、迷うことがなくなるのです。目的がない状態だと「本当にこのままでいいのか」「働いている意味がわからない」と立ち止まってしまいストレスが生まれてしまいます。
働く意味や理由を考えて立ち止まることが多い人は、働く目的を作ってみてください。
●働く目的を見つける方法
働く目的を見つける方法は、以下の5つです。
- 自己分析をする
- 将来なりたい姿を考える
- 実際に働いている人に話を聞く
- 目的は絞ろうとしない
- 働かない自分を想像してみる
働く目的はただ考えただけでは、見つけられないことも多いです。メリットなどを見て、働く目的を見つけたいと感じたときは、参考にしてみてください。
自己分析をする
働く目的を見つけたいときには、自己分析をしてみましょう。なんとなくで目的を決めても、自分の性格に合っていなければ、叶えることはできません。自分に合った目的を見つけるためにも分析をしてみましょう。
ただ自分がどのような性格か分析するだけではなく、嬉しかった経験、やりがいを感じられた瞬間など、思い浮かべてみてください。嬉しい経験ややりがいは人によって変わってきます。
それをもとに目的を考えることで、自分にフィットしたものが見つかるでしょう。
将来なりたい姿を考える
働く目的を見つけたいときには、将来なりたい姿を考えてみるのもおすすめです。なりたい姿を設定して、目的を見出していきます。例えば、人からありがとうと言われるような人間になりたいという姿を描いた場合、それを叶えることが働く目的となります。
なりたい姿がうまく描けないときには、憧れの人を思い浮かべてみましょう。身の回りにはたくさんの人がいます。それぞれ働いている目的は異なります。身の周りの人を観察すると、憧れの人も現れるはずです。
実際に働いている人に話を聞く
実際に働いている人に話を聞くのもおすすめです。働いている人の目的を聞いたり、働いている理由をきいたりすることで、自分の思考が広がっていきます。中には自分と同じような思考を持っている人もいるかもしれません。
たくさんの人から話を聞くことで、参考になる意見も多く集まります。
目的は絞ろうとしない
目的は無理に絞ろうとしなくても構いません。複数あったとしても、働いているうちに優先順位が変わったり、1つに絞れてきたりします。また抽象度が高い目的を掲げた場合は、深堀りすることで、1つに絞れるでしょう。
目的を1度決めたら、最後まで変更できないわけではありません。自分が信じられる目的を複数でもいいので、まずは掲げてみてください。
働かない自分を想像してみる
どうしても働く目的が見いだせない場合は、働かない自分を想像してみるのもおすすめです。一見働かないことは、幸せに感じますが、目的もなくダラダラとするだけの毎日になってしまうため、苦しくなってしまう人もいます。
働かない状態を想像して、本当に幸せか見つめ直してみてください。働かなくて良くなったときに、何がしたいかも一緒に考えることも働く目的を見つけるヒントになりますよ。
●就活で働く目的を聞く面接官の心理
就職活動で聞かれることが多いのが、働く目的です。面接官はどのようなことを思っているのでしょうか。主な心理は以下の3つです。
- 価値観が合うかどうかを知りたい
- 伸びしろを知りたい
- 質問への対応力を見たい
それぞれ解説します。
価値観が合うかどうかを知りたい
面接官は会社と求職者の価値観が合うかどうかを判断しています。その価値観を形成するに至った経緯を聞くことで、自社に合った人材か判断しているのです。あくまでも正解がない問いのため、良い悪いではありません。
ただし、答えられないとなると考えていないと判断されるため、働く目的はしっかり考えてから面接に臨むのがおすすめです。
伸びしろを知りたい
伸びしろを知るために働く目的を聞いている場合もあります。働く目的はモチベーションにもつながってくるため、どのくらい成長できそうか見ています。経緯を聞くことで、何を感じて成長したいと思ってもらえるのか聞いているのです。
これも正解はないため、自分の経験から得たものを正直に答えるようにしましょう。回答しないよりも、考えて自分なりの答えを出しておくのがおすすめです。
質問への対応力を見たい
今までの話とは関係なく、突発的に質問されたときは、対応力をチェックしている可能性が高いです。働くうえで対応力は欠かせないため、こういった場面は面接で多々あります。唐突な質問にも迅速に答えられるように、事前に準備しておきましょう。
働く目的は面接以外に、仕事でも役に立つので就職・転職活動中のタイミングで考えておくのがおすすめです。
●面接官に働く目的を聞かれたときの回答のコツ
面接官に働く目的を聞かれたときのコツは、以下の3つです。
- 質問の意図を理解したうえで答える
- 企業への貢献を踏まえたうえで回答する
- 具体例を交えて答える
コツをおさえておくことで、突発的な質問にも対応できるでしょう。それぞれ紹介します。
質問の意図を理解したうえで答える
質問の意図を理解したうえで、答えるようにしましょう。質問した意図は前述のように
- 価値観が合うかどうかを知りたい
- 伸びしろを知りたい
- 質問への対応力を見たい
の3つです。これらの項目を満たすような回答をしましょう。なんとなく考えた目的だと、明確な理由が話せずに、熱意が伝わらない可能性があります。きちんと準備をして、質問の糸に沿った回答をしましょう。
企業への貢献を踏まえたうえで回答する
企業への貢献を踏まえたうえで回答するようにしましょう。「プライベートを充実させたい」「楽をしながら、お金を稼ぎたい」と答えてしまうと、自分勝手な考え方を持っている人と判断されてしまいます。会社は集団で協力しながら働く場所なので、合わないと判断されてしまうのです。
「〇〇という目的を達成するために働きます。貴社には〇〇で貢献します」など、採用するメリットも一緒に伝えるのがおすすめです。
具体例を交えて答える
働く目的を答えるときには、具体例を交えましょう。理由を伝えることはもちろんですが、具体例を交えるとより説得力が増します。例えば「自分の役割を果たすため」という目的を立てた場合は、それを立てるに至ったエピソードを紹介してください。
自分なりのエピソードを交えることで、他の人とも差別化できます。
●働く目的を回答するときの例文
働く目的を回答するときの例文を紹介します。働く目的の回答に迷っているときには、以下を参考にしてみてください。
【社会に貢献することが目的の場合】
私の働く目的は社会に貢献することです。「ありがとう」と言われたときに、達成感とやりがいを感じられます。実際に学生のときにしていたアルバイトでも、お客様からいただいた感謝はもちろん、仲間が大変なときに手伝った際に言われた感謝でまた頑張ろうと思えました。
貴社の営業活動でも、お客様と仲間を助けて社会に貢献できるように仕事をしていきたいと思います。
【自己成長を目的にする場合】
私が仕事をする目的は、自己成長です。自分が成長することで、会社に貢献していきたいと思います。
実際に現在の職場では、新しい知識を勉強して業務改善を実施した経験があります。仕事でなければ、自己成長をして貢献しようとは考えなかったかもしれません。仕事は自分を高めるための理由を作ってくれるものだと思います。
今後もこの目的を忘れずに、会社に貢献していきたいと思います。
それぞれ参考にしながら自分の働く目的について考えてみてください。
●働く目的を的確に答えられるようになろう!
働く目的は人によってそれぞれです。目的は、お金を得るためや役割を果たすためなどです。働く目的がわからなくなっている人の中には、働くことが好きでなかったり、自分に向いているものがわからなかったりします。
働く目的を見失ったままだと、なんのために働いているのかわからず苦しくなってしまいます。今回紹介した働く目的を見つける方法を参考にしてみてください。働く目的は面接でよく聞かれる項目なので、準備しておきましょう。