キャリアを続けるミドルが立ち戻れるバイブル 一橋大学大学院

社会人大学院の経験談を紹介する「先輩インタビュー」
今回は、一橋大学大学院を修了した大羽 真由さんです。

「日本経済を何とかしたい」と経済産業省に飛び込んだ大羽さんを駆り立てたのは、海外の友人たちの言葉。経済を学び直そうと決意し進学した大学院で得たものや、もたらされた変化について、丁寧に語ってくださいました。組織の中堅として働く女性たちへの熱いメッセージにも、勇気づけられます。


大羽 真由さん

大学卒業後、三菱UFJ信託銀行、中国への語学留学を経て、経済産業省へ入省。流通政策課、省エネルギー・新エネルギー政策課国際室、金属課金属技術室、経済社会政策室にて、企業・団体の低炭素や省エネルギー、ダイバーシティ経営などのサステナビリティビジネスの推進業務等に携わる。

卒業・修了した大学・大学院:一橋大学大学院
入学年月(年齢):2019年4月(育児の為、1年休学し2020年4月から受講)
修了年月(年齢):2022年3月

「日本代表」としての意識が大学院進学へ導く

—————まず大学院進学のきっかけを教えていただけますか?

きっかけは大きく2つあって。まず、大学時代の友人が、ほとんどと言ってもいいほど大学院に行っているんです。特に外国籍の友人は、もうそれが基本みたいになっているのですごいな、と思っていたんですが、さらにアメリカ出張で「大学院を出てからがキャリアのスタートだ」と伺いました。つまり、アメリカでは大学卒業ではまだキャリアのステージに立ってすらいない、ということなんですね。その時は衝撃ではあったんですが、そうなんだ…で終わっていました。

その後帰国して省内の勉強会などでいろいろな方と接する中で、経済を司る省庁にいて日本経済を振興していく立場の人間なのに、自分には経営についての知識がないと感じるようになりました。学部が国際関係だったので国際関係の知識はあったんですが、それだけだと不十分だと考えるようになり、「経営が学べる大学院に行った方がいいな」と思い始めたんです。

 

—————大学時代の同期の状況と海外出張での経験、戻ってきてからの勉強会。三つの経験と危機感がつながって、ということですね。

 はい、経済産業省には社会人経験者の採用で入ったんですが、志望した動機が日本を元気にしたいという思いだったんですよね。でも、入省してからあまり状況が変わってないような気がして。中国はどんどんどんどん成長していく、韓国もサムソンとかLGなどの企業がどんどん市場シェアを拡大していっている。日本企業ももちろん皆さん頑張っていらっしゃるんですけど、日本経済の世界の中での立ち位置が変わっていないのではないか、と思ったんです。自分がもっと貢献するために、大学院に行って学び直しをしたいと思うようになりました。

 

—————お話のスケールが大きいなと思ったんですが、日本経済を良くしたいとか、自分が変えたいとか、そこまで思う人ってなかなかいないと思うんです。なぜそこまでの当事者意識、責任感を持っていらっしゃるんですか?

海外の人と接する機会が多い分、日本への誇りみたいなものがあって。大学は立命館のアジア太平洋学部で国際関係を学んでいたんですが、その頃の同級生は「やっぱり日本の製品は最高」「日本のカルチャーはすばらしい」と言っていたんです。でも、2012年頃からは、アジアの隣国企業の市場シェアもどんどんどんどん伸びていって、当時日本すごい、と言っていた人が「中国、韓国って、クールでいいのを作るんだよね」とコメントするようになって。なんだか悔しい気持ちになったんですよね。

 

—————日本だけを見ていないからこそ、危機感が責任感に変わったということですね。

そうですね。友達と話す時、それぞれが各国の代表みたいな感じで話すので、私も日本代表みたいな感じで話をする。それによって日本へのプライドも感じるようになったし、責任感のようなものが生まれたのかもしれませんね…と今、あらためて気づきました。

 

物事を多角的に見て課題を深く掘り下げられるように

—————一橋を選択された軸は何だったんでしょう?

一橋を選んだ理由は、まず学びをアウトプットする場として、修士論文の執筆があるということ。2つ目は、教員と十数名の学生との間で、課題図書や修士論文に関して発表したり議論したりするワークショップがあることです。高い志と様々な問題意識を持った学生たちと切磋琢磨できることは、とても魅力的でした。

また、通学しやすい都心に立地したキャンパスであることに加えて、平日夜間のコースは基本的に土・日が休めるので、仕事に支障をきたさず家庭に犠牲を強いることもなく、勉学に励むことができます。自らのキャリアにオーナーシップをもって、学業にも取り組めます。最後に、やはり学費ですね。国立なので私立の半額ぐらいで通えるんです。この素晴らしい教授陣にこの価格で学べるのは、国立ならではだと思います。

 

—————以前、一橋を修了した方が「同じMBAでもコスパトップは一橋だ」とおっしゃっていたのを思い出しました。大学での最大の学び、例えば新しく取り込んだ価値観とか、良かった授業、今の仕事にまさに役立っていることなどありますか。

まだ十分ではないですけど、一つの課題を掘り下げるということを意識できるようになったのかな、と思います。修士論文のワークショップでも、私が仮説として立てていた因果関係に対し「表層的な見方しかできていない」という指摘をいただいて。自分が考えていたのと違う視点からの質問が飛んで来るので、いろいろな角度から物事を見なきゃいけない、見ているつもりでも全然足りない、と気づきましたね。

 

—————省庁では、1個のプロジェクトに1人のリーダーと他のメンバーがいる、という一般的な企業と同じような仕事の進め方をするんですか?物事を複眼的に見るために、問いを立ててくれる人がいるのだろうか?と疑問を感じたんですが。

省庁には、限られた職員で次から次へと発生する多様で緊急性の高い業務などに対応する必要もあることなどから、新卒入省者は3、4年目ぐらいから自分が業務のリーダーになって基本的には自分で回していきます。自分で掘り下げて、自分へ課題感を持って、自分で業界の人と接して、関係部署と意見交換をするんです。もちろん上司と情報共有して示唆を得る機会はありますけど。そういう自分のプロジェクトを、2〜3程度並行して持っている状態です。

 

—————ゴリゴリに成長させてもらえそうな感じがしますね!

省庁というか、経済産業省は本当に若手の時から機会が与えられる環境なんです。それらの他に大学院で得たもの、それは、やはりネットワークと言うか、同志。一緒に切磋琢磨して同じ課題を乗り越えていった仲間ですね。自費で来ている人たちも多かったので、それぞれがいろいろな課題感を持っていて。自分が成長することへのモチベーションが高い人が、多かったですね。

 

サポートがあっても大変、それでも得るものは大きい

—————仕事と家庭と子育てと大学院の両立、どうやり切ったのかというところも伺いたいんですが。

これはもう配偶者を含めた周りのサポートは欠かせないですね。私の場合、本来は産後休暇中から大学院に通うつもりだったんですが、出産の時期が予定より遅くなってしまったため1年休学して、育児休暇中に復学しました。2020年4月から授業が始まったので、コロナとばっちりかぶっています。職場はテレワークできる状態でしたけど、やはり職場に行くこともありましたし。授業は基本オンラインでしたけど、パートナーのサポートは絶対に必要でした。上司の理解もあるといいですね。授業が6時20分から始まるので、その前に帰らせてもらえる職場でなければ続けられないですし。

 

—————ミドルに差し掛かって、そこからまたギアを入れてキャリアを進むためにも大学院に行きたいという女性も多いと思うんですが、ただやっぱり両立できるのか不安もあると思います。そういう方に何かメッセージはありますか?

もし悩んでいるんだったら、絶対に行った方がいいと思います。2年間大変だと思います。サポートしてもらっても、勉強はもちろん、自分でしなきゃいけないことは必ずありますから。寝不足の状態が1〜2年続きますけど、それでも得るものはやっぱり大きいです。

当時はそこまで考えていませんでしたが、人生100年時代と言われている中で終身雇用がなくなっていく可能性もありますから、その時自分に何ができるか考えてしまうところもありますよね。もちろん軸がある人は強いと思うんですけど、修士も持っておくといいんじゃないでしょうか。視野も広がるので、関心がある人は行ってみたらいいと思いますね。

 

成績付きのレポート公開で思考プロセスを学んだ

—————良い意味でも悪い意味でも、裏切られたと感じられたことはありますか?

そうですね…もう今は変わっていると聞いているんですが、ある必修科目では、グループワークが何回かある科目があって。その科目では成績を公開するんです。評価もかなりシビアで「公開処刑」って呼ぶ人もいるくらい。成績が公開されるので、嫌な人ももちろんいたと思うんですが、それが一番心に残っていますね。お互い非常に刺激を受けて、学びにもなったんじゃないかと思います。

 

—————それは、グループワークの結果を先生が評価して、それを公開するんですか?

そうです。ABCのような評価結果だけを公開するのではなく、評価が記載されたレポートが共有されるんです。みんな社会人ですからそれなりにプライドを持っている中で、公開されるということに驚きました。ただ、逆に言えば評価が低いものに対しては「こういう考えに陥ってはダメなんだ」、良かったものについては「こういう思考で事象を捉えて分析するといいんだ」、と学べたんですよね。だから、個人的にはよかったと思っています。

 

—————確かに他の人のレポートを見ると、勉強になりますよね。

そうですね。評価の悪かったチームは嫌だったと思うんですが、中身を公開してもらえたことで双方が学べたんじゃないでしょうか。

 

—————立教は先生がつけた成績は見えないんですが、みんなが提出したレポートは一部を除いてオープンになっていて、他の人もほぼ見られるんですよ。なるほど、こう考えたらいいのか、と2倍3倍勉強になることもありました。

 

育休中のMBA取得を目指して1ヶ月で準備

—————受験準備としてどんなことをしたか、教えていただけますか?

試験前に小論文の本を一冊買って、週末に勉強していました。

 

—————受験しようと決めたのは直前だったんですか? 

そうですね、かなりギリギリで資料を集めて、駆け込んだ記憶があります。実はもう少し後にしようと思っていたんですが、ちょうど少し前に妊娠が分かり、受かったら育休中に通えるから今受けよう!と考えて、早めたんです。そうしたら出産が3月下旬になり、さすがに4月から受講というわけにいかなくなったので、結局は1年休学して翌年から受講することになりました。

 

—————でも、1年間お子さんと過ごす期間もあって、よかったかもしれませんね。

そうですね。それはそれで良かったな、と思っています。

 

—————「育休中MBA」を掲げている大学院もありますけど、学位が与えられるわけではなかったりするので、もっと機会が広がるといいですよね。パートナーの方には、前々から行きたいという意思は伝えていらっしゃったんですか?

パートナーは、もともと私に対して早くMBAに行くべきだ、という感じでした。視野が広がるから行った方がいい、とずっと言っていました。職場には、大学院に行きたい、と伝えただけでした。学びをサポートしてくれる職場ですし、当時の上司もすごくサポーティブな方で推薦書も書いてくれました。関係性で困ったことはなかったですね。

 

—————学費についてですが、職業訓練給付金は利用されましたか?

いいえ、国家公務員は雇用保険法の対象外なので、給付金がもらえないんですよ。卒業後、周りは棚ボタみたい!ともらって喜んでいましたが、、、。

 

————それはちょっと残念でしたね。1日のスケジュールはやはり仕事と勉強?

フルタイムで働いていたので、昼休みも講義の動画をずっと観ていました。コロナ禍で参加できなかった人もいるだろうという配慮から録画してくれる授業もあって、復習にも役立ちました。

 

—————すごいどっぷりですね!

どっぷりでした(笑)。

 

現場に近い場所に軸を持ち日本経済に貢献するため転職へ

—————修了されて半年経って、今後のキャリアイメージや日本経済をもっとこうしたい、この領域をもっと盛り上げたい、という展望はありますか。

実は経済産業省から離れて、来年1月から転職することになったんです。転職先は、世界を変える力になる、というパーパスを掲げる民間企業です。出産などライフイベントを経てMBAも取得したことが、自分のキャリアを見つめ直す機会となり、その結果、もう少し現場に近いところで日本経済に貢献するために、一度、現職場を離れることにしました。

 

—————私もセントラルの人事から現場の人事に異動になるので、その感じ、すごく共感します。

大学院での学びはミドルの指針を示すバイブル

オンラインWS_登壇者との写真

オンラインワークショップでの登壇者様とのお写真

—————大学院って大羽さんにとってどんな存在でしょうか?

人生後半におけるバイブル、道しるべみたいな存在ですね。中堅社員になってくると、どんどん俯瞰して物事を見る必要に迫られます。組織全体やチーム全体を見る、その時に大学院で学んだことがつながってくる。学んだことを振り返って「ああ、これってこういうことなんだ」という気づきにつながってくると思うんです。

 

—————ミドルになるにつれて「これ、大学院であの時やったな」とか「それってこういうことを言ってたのか」ということが、どんどん増えていくんですよね。私は、地図とコンパスを手に入れた感覚、と表現しています。

そうですね、私も同じ感覚です。

 

—————最後に、どんな人に大学院を勧めますか?

まさにアラフォー、アラサーの女性ですね。やっぱり女性の活躍が叫ばれる中で、女性がどう力をつけるか、どうやって男性と公正に評価してもらえるか、と考えると、修士を持つことが強みになるだろうと思います。学歴を評価に加えるという観点を持つ日本企業は、まだまだ少ないと思います。それでも、大学院に行くと思考が広がって、男性とも対等に議論とかできるようになるんじゃないでしょうか。

一般的に、女性と男性のキャリアルートや経験も違いますよね。意識して女性に早めのキャリア機会を与えている企業もありますが、男性に比べるとキャリアの提供が遅れている企業も多いので、大学院を出てMBAを取ることによってキャッチアップすることができると思います。

—————修士が煙たがられたりするケースもあるようですが…

今の職場は修士号を持っている人が多いのでそんなことはないですけど、得た知識をどう業務で活かして示していくか、成果に結びつけてちゃんとアピールしていくことが大事だと思いますね。

 

—————そうですね、組織によって修士への評価が違えば、どう頑張るかも違ってきますよね。即成果を求められる組織もある、ということですね。ありがとうございました!

 

 

ロジカルさを求めてグロービスMBAへ進学。新しい仲間に刺激を受ける日々。

働きながら学ぶ人を紹介する「先輩インタビュー」
今回はグロービスの単科を受講した土屋 由里恵さんです。

もとはジェンダーの研究者を目指していた土屋さん。東京大学を卒業後、大学院へ進学し修士号を修めた後、freee株式会社へ就職。3年目にグロービス経営大学院のMBA単科生制度でクリティカルシンキングを学びました。3ヶ月という短い期間ながら大きな学びを得た土屋さん。単科生の魅力や今後のキャリアプランについてお話を伺いました。

土屋 由里恵さん

1989年生まれの33歳。小中高12年間を都内のカトリック女子校で過ごす。最も刺激的な環境を求め、紆余曲折を経て24歳で東京大学に入学。30歳で社会学の修士号を取得する。その後30歳新卒という経歴でfreee株式会社に入社。サクセスを経て現在は既存顧客向けチームで営業職に従事。座右の銘は大器晩成。趣味はB'zとゴルフ。

グロービス大学院単科コース:クリティカル・シンキング
入学年月日(年齢):2022年1月(32歳)
修了年月日(年齢):2022年3月(33歳)

「もっとロジカルに物事を考えたほうがいい」
————はじめに、これまでの経歴を教えてください。

2つの大学を中退した後、24歳で東大の学部1年生に入りまして、そのまま修士に進みました。その後、修士として新卒でfreee株式会社に入社し、いま4年目です。大学院ではジェンダー論を研究していて、そのまま博士課程に進もうかと思っていたんですが、30歳で進学すると博士号を取るのが40歳になる見込みだったので。なので、いったん社会人になって学費を稼いでから博士課程に行こうと思い、freeeに入ったんです。いつかは博士課程に戻ろうかなという考えは今でも頭の片隅にあります。

———— 紆余曲折あった中でfreeeを選んで働いているんですね。グロービスで学ぼうと思ったのは、ご自身のもともとの興味であったジェンダーとは全く別の理由で?

グロービスを知ったきっかけは、会社の身近な人たちがグロービスに通っていたので、名前だけは知っていました。でも、まさか自分が通うとは夢にも思っていなくて。半年くらい前、会社の1on1で先輩から「つっちーってすぐ結果に飛びつくよね、howから考える思考の癖がある」と指摘されたんです。もっとロジカルに物事を考えたほうがいいよ、クリティカルシンキングの本を読んだほうがいいよ、と。

最初はグロービスの本を読もうと思って買ったんですけど、必然性もリアルに感じられなかったし、誰からプレッシャーをかけられるわけでもないしで、積ん読状態になっていました。でも、仕事にも慣れてきたところで今後のキャリアを考えたときに、「やっぱり論理的な思考ができないと、チーム全体での思考ができないし、自分の能力もアップさせられないなぁ」と。なんとなくグロービスのサイトを覗いたら1月生を募集していて体験授業の募集があったので、タダだし良いかと思い、行ってみました。

 

————体験授業に行ってどうでしたか?なんとなくイメージが湧いたとか?

クリティカルシンキングの体験講座を申し込んだはずだったんですけど、あんまりよく見ずに登録しちゃったらしくて、実際に受けたのはマーケティング基礎だったんですよね(笑)。授業が始まってから、周りにマーケッターが多いなと思って、よくよく見たら間違えてたことに気づきました。ペプシのCMを見て、これはどういうターゲットに対して出しているのか?を考えるグループワークを体験しました。

————それはウケる。間違えちゃったものの、何か発見はあったりしましたか?

「あ、意外と自分はいろんな世代、業種の人と対等に話せるな」と実感しました。それまでは社会人大学というものに対して少し構えてたところがあったんですけど、思ってたより気軽に受けられるなと。freeeが意外と新卒の私をしっかり育ててくれてたんだなということにも気づきましたね(笑)。自分でも気づかないうちに、freeeでちゃんと揉まれていたんだなと。やっていけそうなら社会人力をもっと磨こうと思い、グロービスへの入学を決めました。「他の人には敵わない!」と感じていたら行かなかったと思いますが、ある程度年齢やキャリアが上の人にも太刀打ちできると思ったので、やってみようと思いました。

会社の外でも学ぶことで1年を2年分、3年分にできる
————グロービス以外は考えましたか?

まったく考えませんでした。ほかにもいろんな大学のMBAがありますけど、身近にグロービスに行った人が活躍していて、質が担保されているだろうなと思ったので、ほかは考えませんでしたね。単科という気軽さもありましたし。入学準備も、職務経歴書とグロービスで学びたいことを書くだけだったので、ハードルはめちゃくちゃ低かったですね。

————グロービスの単科は3ヶ月単位でしたっけ?

はい、1講座3ヶ月と決まっています。1月に受けたクリティカルシンキングの応用編として、7月から“ファシリテーション&ネゴシエーション”という授業があるので、受けようと思っています。せっかくなら4月に受ければ良かったですね。1月に入学してせっかく学びのサイクルが自分の中にできていたので。4月期は最終クォーターなので、仕事が忙しくなるだろうと思って、ちょっと日和っちゃったんですよね。

 

————クリティカルシンキングが面白かったから次もやろうと?

はい。受けて良かったと心の底から思っています。クリティカルシンキングでこれだけ大きな学びがあったから、ほかの講座でも大きな学びを得られるだろうと思っています。事前課題としてケースが与えられているので、そのイシューがどういうもので、どういう打ち手を取ればいいのかというレポートを書いていって、授業ではみなでディスカッションするという。

 

 

————課題にたいしてイシューを特定する、というサイクルは仕事と似ていますが、あえて授業を受ける必要性はどんなところに感じますか?

そうですね、会社でもやろうと思えばできると思う。でも難しいと思うのは、freeeってまだ過去の知見がそんなに蓄積していないから、分析に足るnが少ない。授業だと思考訓練のための具体例がたくさんあるので勉強になるなと。授業で学んだことをfreeeに持ち帰ってやってみようと思うけど、材料が少なすぎて検証できないことが多い。一方で、答えのある授業という世界の中で試行錯誤できるのが、グロービスのいいところだと思います。

出会えないはずの人と出会えたことが最大の財産
————このケース面白かったなというのはありますか?

ありますね。めっちゃ苦しめられた地獄のケース(笑)。メガネ屋さんを題材としたケースなんですけど、営業マネージャーがこういう使命を与えられましたという説明文があって、なぜこの年のこのエリアで売上成長高が低いのかについてグラフ等が与えられているので原因を特定して、どういう打ち手を取れば良いのか解決策を出すんですね。そもそもイシューに取り組む意義から考えていきます。会社としての意義、チームとしての意義、本人の意義とか、いろんな面からイシューを考えていくんですけど、グラフを読み解くのも難しいし、どういう論点から考えていくか、その論点をあぶり出すのも難しいし。みんなほぼ徹夜でやって授業に臨んでました。

講義の中でファイブフォースとか3C、4Pとか一般的な切り口を教わります。それを使いながら、論理の飛躍がない、相手に伝わる解決策が書けるか。インパクトとかコストパフォーマンスとか緊急度とか、いろんな側面から総合的に考えてどの順番で解決していくかを導きます。

————横のつながりは結構できましたか?

めっちゃできました。世代も業界業種職種もバラバラなんですけど。グロービスの授業はオンライン、オフラインあって、私はオフライン(通学)を受けました。授業自体は隔週なんですけど、週に1回は必ずオンラインの自主勉強会をやっていたし、きつい課題を一緒に乗り越えていくみたいな連帯感が生まれて仲良くなりましたね。刺激も受けたし。

————入る前後でギャップはありましたか?

良い意味でのギャップしかなかったです。授業自体は想像以上に学びがあって良かったと思うし、さらに普段出会わない人たちと出会えたことが財産ですね。最初は1科目だけと思っていましたが、クラスメイトが他の授業を取っているのを見て「私も受けたいな」と思うようになりました。20歳くらい上の女性が、「つっちー、学ぶんだったらいまのうちだよ!」と。50歳を過ぎると体力面でも家族面でもいろんな制約がかかるから、学ぶ意欲があるなら、いまのうちに学んだほうがいいよと。先輩世代のリアルな声が後押ししてくれているなと思います。

たった3ヶ月でも未来の自分を変える大きなきっかけに

————仕事との両立はどうしていましたか?

両立は本当につらかった!マジでつらかった!!「グロービスに行くけど、仕事には支障が出ないようにします」って言ってはいたんですが...。通っていた1月〜3月の自分の営業目標が前四半期よりも上がっていたし、後輩の数字も一緒に見ていかなくてはいけなかったので大変で。仕事に通学、週末には勉強会もあって、課題も2週間与えられているとはいえ、平日はほぼできないし、土日にこなせる量でもなく。睡眠時間を削ってやっていました。

それでも通う価値はあるなと感じます。

 

————通ってみて、働き方や仕事への思いが変わりましたか?

日常の業務では、ものの見方が変わりました。OKRミーティングならOKR一つひとつの見方が変わってきたかなと思います。議論を聞いていても、これは本来のイシューに沿った議論展開だろうか、いま議論すべきことなのかという姿勢で聞けるようになったし、そもそもこの問題設定で良いんだろうかと意識できるようになりました。

 

———— 業務外では?

もっといろんな職種にチャレンジしたい!クリティカルシンキングのような思考の基礎は他の職種でも生かせると思うので。freeeでの経歴はカスタマーサクセスを1年半、営業を1年半という感じですが、今後は事業企画やマーケティング、別のプロダクトを扱うというチャレンジもしてみたいです。

————ジェンダー研究はどうする予定ですか?

ジェンダーに関しては、別の方法で関わるのもありかなと。以前は研究者軸で関わりたいと思っていましたが、ビジネス軸もありだなと思い始めています。研究したかったことをビジネスの観点で関われるような業界がないか、調べています。もともと持っていた問題意識は変わらずにアプローチの仕方が変わってきたかなと感じます。授業でいろんなケースをみて、視野が広がったことが影響していると思います。

————では最後に、どんな人にグロービスを勧めますか?

社会人としてこれからどうやって行こうかなと悩んでいる人はぜひ行ってほしいです。内部環境的には自分にはこんな能力があるんだなと気づいて、次のステップに進むきっかけになると思うし、外部環境的には普段出会わない人たちと出会えるので新たな視野が広がると思います。グロービスではいま所属しているコミュニティでは得られないものが得られるので、まだやることが明確になっていない人は行くと良いきっかけづくりになるんじゃないかなと思います。

———— 2年制の大学院に行くのはハードルが高いけど、何かを学びたいという熱意のある人には、まずは単科でトライアルしてみる、お勧めだなと思いました。ありがとうございました!

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