
学びなおしのきっかけとなった1冊、
学んでいるときの思い出深い1冊、
あるいは今まさに学んでいることに寄り添ってくれる1冊。
そんな1冊を先輩インタビューに登場してくださったあの人に聞いてみる連続企画です!
今回は、順天堂大学大学院医学研究科(博士課程)在学中の田中 希依さんです。
田中さんのインタビュー記事はこちら
万物の黎明 人類史を根本からくつがえす
デヴィッド・グレーバー (著), デヴィッド・ウェングロウ (著), 酒井隆史 (翻訳)

◎田中さんのコメント
人類がどのようにして生まれ現代社会を築いて来たのか、私たちの先入観を見事に覆する書籍です。特に、一神教を価値観の礎として来た欧州諸国の人々には衝撃的でしょう。
読み始めたきっかけは、大学院の講義で『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎』(ジャレド・ダイアモンド著)が紹介されたことでした。
私が学ぶ公衆衛生学では感染症が重要な地位を占めます。アメリカ大陸の文明が滅びた原因は、ヨーロッパの入植者たちが感染症を持ち込んだためでした。免疫がなかった先住民は短期間で滅んだのです。もちろん、人類史は感染症に留まりません。現代社会が築かれた理由も諸説あります。
しかし、このような人類史は西洋が作り上げたものでした。それに一石を投じるのが、本書『万物の黎明』です。
『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎』、そして『サピエンス全史 上/下 文明の構造と人類の幸福』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)を読んでから読むと、更に面白いので、ぜひともこちらもご一読ください。