学ぶことは生き方を変えること グロービス経営大学院

働きながら学ぶ人を紹介する「先輩インタビュー」
今回は、グロービス経営大学院に在学中の田住玲子さんです。


大きな市場に対してインパクトを残したい。その思いを叶えるために新卒で、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)に入社。同年代の頑張りに刺激を受け、MBAに進学。ビジネススクールでの学びは、生きることを楽にしてくれたという田住さんの等身大の学びを聞きました。

 

田住 玲子さん

2012年3月慶応義塾大学 環境情報学部卒。新卒で大手ネット銀行に入社し、自社の広告企画やブランド戦略に5年間携わったのち、人事部で4年間採用戦略から人事評価制度の企画までを行う。2021年ZUUに入社し、現在は人事部門で新卒・中途採用における企画・運用業務を推進中。

卒業・修了した大学・大学院:グロービス経営大学院
入学年月(年齢):2020年1月(30歳)
修了年月(年齢):2023年3月(33歳)※卒業予定

ブランディングが組織を強くする

——— 今日はよろしくお願いします。まずはご経歴から教えていただけますか?

2012年に当時のジャパンネット銀行、現在のPayPay銀行に新卒で入社をしました。そこでマーケティングや人事を経験し、現在は株式会社ZUUで採用・人事企画を担当しています。

 

——— ずっと金融に携わってらっしゃるんですね。なぜファーストキャリアで銀行を?

自分の中でもいまだに漠然としているのですが「大きな市場に対してで自分なりのインパクトを残したい」という夢がずっとあります。でもまだ自分の中にアウトプットしたいものがないので、起業という形ではなくて会社に所属して、その組織のパーパス実現を一緒に担うことで自分の夢も実現できたらいいなと思っている段階です。その舞台として、様々なアプローチを検討する余地がある金融、その中でも銀行を選択しました。

 

——— もともと独立志向がある方なんですね。

周りに副業している方も多いですし、両親も個人事業主なので、自分で何かやることに憧れはありますね。

 

——— マーケティングからの人事、大きなキャリアチェンジですよね。銀行の異動文化の中で偶発的にできたキャリアだったのでしょうか?

実はここは自分で意思をもって手を挙げました。きっかけはインナーブランディングを担当したことでした。会社が15周年になるタイミングで、企業ブランドを内外に発信するプロジェクトが立ち上がり、面白そうだなと思って参加してみたんです。会社のミッションや考え方が社内にうまく伝わると、みんなが同じ目線に立って動ける。その先には強い組織がある、ということを身をもって経験する機会でした。振り返ってみると「組織開発」の一環だったことに気付きました。次の異動の機会に、人事をやってみたいですと上司に相談したところ、それが叶って人事としてのキャリアを歩み始めました。

 

若手交流会での危機意識

——— 念願の人事、新たな舞台としてはいかがでしたか?

ぼーっと生きてきてしまったなと反省することばかりでしたね。採用以外の人事企画に関しても力をつけていきたいなと思った時に、他社事例を知る必要があるなと思い、グループ会社の勉強会に参加したんです。ジャパンネット銀行は、Zホールディングスの傘下にあり、グループ会社の若手を集めたZアカデミアという企業内大学があるんです。そこで知ったのは、同世代のビジネスマン達が、たくさんの修羅場を潜り抜けてきていて、すごくレベルの高い悩みを抱えていることでした。なんとかしてこの勉強会で学びを得てやろうという姿勢で望んでいたのが印象的で。一方の自分は、なんてふわふわした人生を歩んできてしまったんだろうと危機感を持ちました。

人事として一旗あげたい思いはあるのに、経営目線の施策も打ち立てられないし、もともと金融機関にいたのにアカウンティングやファイナンスの視点もない。どこに行ったらこのモヤモヤは晴れるのだろう、大学院か!と閃いたんです。付け加えるならば、父からの一言も後押しになりました。父は起業する前に伊勢丹に勤めていて、社長やマネジメントを経験した仲間の多くがMBAを通ってきていたんです。それを見ていた父から、「あなたもいつかMBAに行ったらいいよ」と学部時代から言われていました。

 

——— そこからグロービスに入られるんですね。

はい。PayPay銀行では福利厚生として、グロービスのクリティカルシンキング講座を受けることができたんです。クリティカルシンキングは本科生になると必ず受けなければならない授業なんですが、この講座を受けておくと授業が免除されるんです。そのほかにも単科生として12単位まで取得でき、本科コースに持ち込みができるので、単科生として一年学び、翌年に本科コースに入学しました。



学ぶことで、生きることが楽になった

——— 卒業まであと4ヶ月。今までを振り返ってみて、どんな学びがありましたか?

経営について体系的に学べたことは大きな価値でしたが、人事としての専門性という意味では、まだ仕事に活かせるレベルまでは到達してないですね。それでもなぜ通い続けたかといえば、志の授業が自分にとって大きな変化をもたらしてくれたからです。

グロービスでは、志とテクノベート(テクノロジーとイノベーションを組み合わせた造語)が大きな柱になっています。私にとっては志やリーダーシップといった、人間の内側を学ぶ授業がすごく役に立ちました。物事の受け取り方が180度変わったと言っていいほどで、対立意見に対して受け止めることができるようになりました。それまでは、人間関係でハレーションを生んでしまうことも多々あったのですが、それがなくなり自分自身もすごく生きやすくなったと感じます。



——— 大きな価値観の変化、きっかけは何だったのですか?

クリティカルシンキングの授業で「相手の立場に立つとは何か」を因数分解できたんです。認知を知る・反応を知る・関心を知る、この3つが相手の立場に立つことだと理解しました。それまで、なぜ自分は相手の立場に立って考えられないのかわからずに悶々としていたのですが、これを分解できてから、変な生きづらさが解消されたんです。こんなこと、大人になって気がつくなよって思われてしまいそうですが、私にとっては大きな変化でした。



——— すごく共感します。私も大学院での最大の学びは、社会構成主義という考え方に触れたことです。世の中には唯一無二の真実があるのではなく、社会に存在するありとあらゆるものは人間が対話を通して頭の中で作り上げたものであるという考え方のことで。

共通しますね。入学前は、アカウンティングとかファイナンスとか、知らないことが自分の実力不足の原因だと思っていたのですが、実際はコミュニケーションや物事の見方自体に問題があったんだなと気がつきました。



受験準備について

——— 受験準備はどんな風に進められましたか?

グロービスは筆記試験などはなく、エッセイと面接で試験が行われます。エッセイは、これまでの人生の棚卸しをして、こういう点に課題を感じていて、だから今学びたいのだ、をクリアにしていくプロセスでした。書き終わったものは、クリティカルシンキングの同期に添削してもらいました。

 

——— パートナーの説得や、会社への説明で困ったことはありましたか?

特になかったです。というのも、グロービスが本科生として学ぶためにかかる時間的・金銭的コストをちゃんと示してくれて、志願者はそれを使って周囲を説得できる環境が整っていました。会社も応援してくれたので、特に困ったことはなかったですね。ただ、これがお子さんがいると大変さは全然変わってくると思います。同期にもママパパが結構いますが、ディスカッション中にお子さんをあやしながら参加していたりします。こちらは癒されますが、本人にとっては大変だろうなと思いますね。二年間の間に妊娠出産を経験して、休学や留年もせずに卒業してく仲間もいて、刺激をもらいますね。

 

——— 資金面はいかがですか?グロービスだと、訓練給付金を最大の112万円もらえますよね。

はい、給付金はもらっています。それ以外は自費で賄っています。



——— 在学中の一日のスケジュールについても教えてください。

フルタイムで働きながら学んでいるので、平日の夜と土日に授業があります。予習復習も仕事が終わったあとか、土日のどちらかを使って行っていますね。グロービスの授業は一科目の一回の予習に7時間かかると言われています。私の場合は、単科生としても受講していたので、一週間に一科目予習すれば間に合うペースだったので、なんとかやりくりできていました。実質3年間で卒業しているような感じですね。



——— 単科制度、社会人にとってはとてもありがたい仕組みですね。グロービスさんの商売上手な感じも伝わってきました笑。



社会人大学院は、考え方を示してくれる場所

——— 今後のキャリアビジョンについて、どんな風に考えていますか?

まずは今の会社で人事としてしっかりとした成果を残すことですね。グロービスに進学してから、志高い人たちに囲まれて、自分ももっと大きな舞台で自分を試してみたいなと思い、ZUUに転職をしました。まだまだベンチャーなので、整備できてないことも多いですが、ZUUっていい会社だよね、働きやすいよねって思ってもらえるような環境を作っていきたいです。

それ以外に、最近はメンタルヘルスへの興味も出てきました。身近な人に悩みを抱える人がいて、すぐすぐに仕事にするってことは考えていませんが、何かしらこの領域に貢献することができたらいいなって考えています。



——— では、田住さんにとって大学院とはどんな場所ですか?

決して答えを教えてくれる場所ではないけれど、考え方を示してくれる場所だなと思います。様々な理論しかり、クリティカルシンキングもそうですね。自分のもやもやを解消するためのキーワードやフレームワークを手に入れられるところですね。あとは、ネットワークという意味でも得るものがありました。

進学する前までは、集団行動が苦手でしたし、大学院に学びにくる人って意識高い系でしょ?と斜に構えている自分もいて。でも実際一緒に学んでみると、本当にいい人しかいないんです。セクションリーダー(クラスのイベント幹事)を率先して担ったり、JBCCというビジネスコンテストにも2年連続で出場しました。いわゆる机の上での勉強じゃない学びを得られた期間でしたね。



——— 本当に大事なことを学ばれたんですね。最後に、どんな人に社会人大学院を進めますか?

何かしらモヤモヤを抱えている人でしょうか。なぜ自分が生きづらいのか、何が課題なのかわからない人の選択肢の一つになるといいなと思います。私の周りには、明確なビジョンを持ってグロービスに入学する人もいますが、私みたいになんかモヤモヤするんだよな...くらいの課題感で入ってくる人も一定数います。こういう人たちも、色々な方達とのディスカッションや授業を通して、何かしら自分の抱える課題へのヒントを発見しています。自分の成長のペインって案外自分では気付けないので。周囲の人と自分を相対化しながら見つめ直すいい機会になるんじゃないかなって思いますね。



——— 意外なところに成長の機会は転がっているのかもしれませんね。今回はありがとうございました!

 

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