「自分がしたい仕事」をするために、学ぶ。グロービス大学院

働きながら学ぶ人を紹介する「先輩インタビュー」
今回はグロービス大学院を卒業された桑原啓輔さんです。

仕事を通して経営者と関わる中で、そのような人たちに貢献したいという思いをもち、グロービスに進学された桑原さん。熱い仲間に囲まれたグロービスでの学校生活や、仕事に対する桑原さんの思いについて伺うことができました。

 

桑原 啓輔さん

関西学院大学を卒業後、民間の信用調査会社 帝国データバンクに入社。調査員として主に在阪企業の信用調査に携わった後、コンサルティング会社で複数社の販管費改善プロジェクトをハンズオンで実施。その後、中堅の専門商社に転じ管理会計・与信管理・経営企画の業務を兼務。現在は社員50名ほどのベンチャー企業で、上場に向けて内部管理体制の強化や、財務面を中心に取り組んでいる。

卒業・修了した大学・大学院:グロービス経営大学院
入学年月(年齢):2019年(38歳)
修了年月(年齢):2021年(40歳)

仲良くしていた会社が倒産。「自分には何もできない」

———まずは、ご自身の経歴について教えていただけますか。

大学を卒業し、調査会社に入社しました。そこでは、いろいろな会社を訪問・取材をし、主に企業の信用面(財務安定性)を中心に、分析・レポート作成・評価付けを行う、という仕事をしていました。5年くらいそこで調査員として仕事をしていたんですが、取材を通してお会いしているうちに、取材相手の社長さんと密にお話しできる機会が増えてきました。

そんな中、懇意にしていた会社の1つが、取材に行く度に経営状況が悪化していくのが見て取れて。そんなときに、社長さんに「桑原くんは調査員としていろんな会社を見ているんだよね?うちみたいな会社ってどうしたら良くなるんだろうか」って相談されるんです。でも私はあくまで調査するのが仕事だったので。会社をどうすれば良くできるかという問いに対する明確な答えは、持ち合わせていなかったんですよね。

結局その会社は倒産してしまいました。倒産したという一報が入ってすぐ、その会社に伺ったんですよ。そしたらもう社員は誰もいなくなってしまっていて、フロアはガランとしていて。総勢五、六十人ぐらいいた会社なんですけど、そのときは社長が1人残っていて、残務処理や荷物の整理をしていました。「俺も何とか生きていくから大丈夫だよ」という社長さんの言葉を聞いて会社を後にしたんですけど。そのときに、結局自分には何にもできないんだな、と思ったんです。だんだん会社の状況が悪くなっているのは見てましたし、話も聞いていたんですけど、それでも何にもできなかったな、と。そこで、今の調査員としての仕事をしていても、本当の意味では人の役に立てないんだなって思ったんですよ。だから、本当に会社をより良くできるような能力をつけたいなと思った。その思いから、調査会社を辞めて、コンサルティング会社に行くことを決めました。

その会社は、主に販管費の見直しを通じてクライアント企業の利益を創る、というサービスを行っていました。完全成功報酬型で、創った利益からコンサルフィーをいただくというモデルです。そこで仕事をすることで身につく、業務改善に関する知見や、購買の効率化に関するノウハウだとか、こういった能力を持っていれば面白そうだし、どの会社にも貢献できるなと思ったのもあり、転職することにしました。

 

———心がぎゅっとしました。私も、自分が大学生の時に母がお寿司屋をたたむ瞬間に立ち会っていて、その時のことを思い出しました。

 

経営者の人たちと対等に話したい

———その後、コンサルティングの会社には何年くらいいたのですか?

その会社では2年間仕事をしました。当時単身赴任だったので、そろそろ地元に帰って自分の子供も欲しいなと思い、自宅からも通える別の会社に移ることに決めました。

3社目では管理会計や与信管理の仕事に加えて、副社長直轄の経営企画というポジションも兼務させていただきました。その仕事の関係もあって、副社長とランチに行く機会が週1くらいのペースでありました。そのときにいろいろな経営に関する話をするわけですけど、結構話題が幅広くて。そういう機会をいただけるのであれば、どうせならいいレスポンスをしたいじゃないですか。なので、もうちょっと経営全般について学び直そうかと思って、グロービスに入りました。こうして振り返ってみると、1社目の調査会社の時からそうなんですが、私は社長や役員といった重要な意思決定を行う立場の方々と仕事をする機会が多かったので、そのような人たちの役に立ちたいという思いが根底にあった気がしますね。



———グロービスを選んだのは何か理由が?

評判とアクセスのよさが大きかったです。前職の先輩が先に通っていてグロービスいいよっていうことを聞いてましたし、校舎が会社から近く通いやすくていいなと思ったので、他の学校は検討しなかったですね。体験クラスが楽しくて、入る決め手になりました。体験クラスはマーケティングと経営戦略をまとめて2時間ほどで行うもので、それがなかなか面白く、いいなと思って。



———体験クラスが決め手だったんですね。面白かったというのはその授業内容ですか?

授業内容もそうですし、参加している人も前向きな方が多く刺激になりました。あと、授業内容がディスカッション形式というところも気に入りました。今までそういう形式で学んだことがあまりなかったので、こういう学び方もいいなとしっくりきましたね。入学してから、単科生の時期を含め3年で卒業しました。

 

熱い思いをもつ人々に囲まれた

書籍「人的ネットワーク」出版時のお写真
———実際に行ってみてどうでしたか? 

最初はただ単に能力を上げる、学びに行くというつもりで行き始めたんです。そしたら思いのほか熱くていい方が多くて。仕事で頑張りたいとか、こんなふうになりたいとか、こういうことをしていきたいとか、自分と同じような思いを抱いている人がたくさんいて、いい意味で裏切られましたね。そういう前向きな人たちに囲まれると自然と熱量が上がりました。もっと淡々と学ぶイメージだったんですけど、純粋で前向きな人が多かったので、楽しく学ぶことができました。懇親会も楽しかったです。コロナ前だったので、懇親会が普通にあったんですよ。クラスが19時から22時まであって、それが終わって飲みに行くかってなることがよくありました。解散は23時半とか0時とかで夜遅いわけですけど、それでもたくさん人が来るんですよ。クラスの先生も来てくれますし。



———え!先生も来てくれるんですか。それはすごいですね。

そうなんですよ。先生も学びの熱量を上げるためにすごくコミットしてくれて。なんか、みんな年齢とか関係なく若いんですよね。すごく前向きで。そういう人が集まる環境だと、自然と切磋琢磨し合えるということを実感しました。同じ会社の方とかでもないので、牽制しあうとかいらない気を遣う必要もなく、仕事についての話をしたり、自分はこうなりたいんだっていう思いを語ったり。そういう人とたくさん出会えたっていうのは大きかったですね。



———そのような方たちと過ごす中で、特に印象に残っている授業やイベントはありますか?

一番印象に残っているのは研究プロジェクトですね。結局2年ほど取り組むことになったのですが、最終的にそこで得た知見を書籍(人的ネットワークづくりの教科書)の形で世に出すこともできました。大変でしたが、とても貴重な体験でした。このプロジェクトを通じて、何でも話し合える仲間とも出会えましたし。



———グロービスに通うことで、当初ゴールにしていた「経営者の人たちと対等に話せるようになる」という目的は達成できましたか?

グロービスに行く前と行った後で比べたら、もちろん達成はできたと思います。できる業務の幅が広がりましたし、アウトプットの質も上がったと思うので。ただ学びを通じて視座が上がったからなのか、今のままでは足りないなっていつも思うんですよ。周りにはもっとすごい人がたくさんいるし、自分はまだまだ全然足りないなと強く感じます。ですのでまだまだ頑張らないといけないのはもちろんありますが、課題意識が高くなってきたという意味では、当初のゴールは達成できたんだと思います。

グロービスから卒業した後も、自分で勉強を重ねています。最近はBIツールの使い方や管理会計など、より自身の業務に関連することを中心に勉強しています。グロービスに通っていたことで勉強する習慣がついたので、今でも継続的に学びを続けることができています。

 

3年間でグロービスを卒業

———学びが繋がっている、とてもいいことですね。入学するにあたっての受験準備はどのようなことをされましたか?

入試はエッセイと面接でしたので、しっかりと自分に向き合って「なぜ学びたいのか? どんなビジネスマンになりたいのか?」言語化することに務めました。日々考えていることなので、特別なことはしていないと思います。業務の予定は比較的立てやすい仕事でしたので、会社への説明も特に必要はなかったです。家族としては、本当はもう少し子育てを手伝って欲しかったみたいでしたけど、そこはこれから巻き返していきます(笑)。



———子育ての巻き返し、頑張ってください! 費用面や、一日のスケジュールについても教えていただけますか。

費用は自費です。2年で卒業できて教育訓練給付金を100万円くらいいただいたので、自己負担は200万円ほどでした。飲み会にはたくさん行ったので、そういう意味ではもう少し費用はかかりましたが(笑)。勉強に関しては、平日の夜や土日に取り組んでいました。毎日2,3時間ほどのペースでコツコツ行っていたことと、比較的仕事の予定も立てやすい環境でしたので、そこまで苦にはなりませんでした。



———なるほど。卒業して2年経過した現在、今後のキャリアイメージや、こういうふうにやっていこうといった展望のようなものはありますか?

最近転職したんですけど、まずは転職先で新しい仕事を頑張ろうと思っています。今はベンチャー企業で上場に向けて取り組んでいるのですが、このような機会に携わることができたのも、グロービスで頑張ってきたからだなと思います。



———グロービスで学んだこと自体が転職に活きたということですか?

めちゃくちゃ活きました。特にファイナンスに関する知見などは、グロービスに行かなければ勉強できなかったですからね。もちろんそれ以外に自分でいろいろ勉強したことはありますが、全てのきっかけはグロービスからですしね。そこで学んだことはとても活きてますし、これからも活きていくと思います。

 

仕事すなわち人生を楽しむために、大学院へ通う

———グロービスに行ったことによって学び続けられているんですね。今回桑原さんはグロービスという大学院に行かれましたが、桑原さんにとって「大学院で学ぶ」とはどういうことですか?

楽しく仕事をするために必要なこと、だと思います。僕は仕事ってとても大切な時間だと思っていて。多くの人にとって、仕事って人生の中で一番時間を費やすものじゃないですか。その仕事をする上で、金銭を得るというのはもちろん大切なんですけど、それ以上に「主体性をもって仕事をする」というのが私はもっと大切だと思っていて。自分が主体性をもって仕事を選んだり、やりたい人とやりたい仕事をしたりして、仕事を楽しむ。そのために常に学ぶとか、自分がやっている仕事に関して学び直すとか、そういったことはとても大切だと思います。仕事って人生とイコールだと思うので、仕事を楽しむ、すなわち人生を楽しむために、自分が今必要だと思う分野を勉強できる大学院に通う価値はあるな、と思います。



———「よりよい仕事をして、より楽しく生きるために学ぶ」ということですね。

そうです。人から言われる仕事をするのではなくて、自分がしたいと思ったことを選んで仕事にする。そのためにはやはり能力というのは必要で。それが大学の勉強で足りているのであればもちろんいいんですが、そうでなければ自分が必要だと思うことに「主体性をもって」お金と時間、労力を投資することは大切なんじゃないかなと思います。

だから僕は、「楽しく生きる」ためにグロービスに行きました。グロービスに行くと、僕と同じような思いをもった人がたくさんいるんですよ。こういう話をするとみんな共感してくれるんです。そういった人たちに囲まれて学べる環境がとてもよかったなと思います。



———ありがとうございます。最後に聞かせてください。大学院をどんな人に進めますか?

仕事を楽しみたい、自分の仕事をよりよくしたいという人は行ったらいいのではないかと思いますね。あとは、自分で自分の道を切り開いていきたい人。私は大学院でMBAを学びましたが、MBA一つ取ってもその中で幅広いですからね。学びも幅広いし、学んでいる人の幅も広い。年齢っていう意味でもそうですし、仕事の領域も幅広いです。出会える人の幅が広いので、そういう意味で言えば、大学院は人脈作りとしてもおすすめです。

グロービスで言うと、掲げている教育理念が三つありまして。一つが能力開発。これは当然と言えば当然ですね。二つ目が志の醸成。自身が生涯を通じて成し遂げたいことを考え、向き合っていくことが求められます。三つ目が、先ほども言った人的ネットワークの構築です。

この三つのうちのどれか一つだけを磨いてもうまくいかないと思うんです。能力だけ磨こうとしても、人と関わっていかないとなかなか能力って高まらないですし、人と関わろうとするだけでしっかりとした志がないと、どこかで行き詰まると思います。また、志だけ高くても能力がないとやっぱり仕事ってうまくいかないものですし。この三つがぐるぐる回って、人って成長すると思うんです。グロービスに入るきっかけは人それぞれだと思います。私のように能力を磨きたいと思って入っても、志とか、人的ネットワークなどと言った、当初目的にしてたもの以外の大切さに気づき、そこから恩恵を得ることもあるかと思います。ですので、グロービスが掲げている教育理念に少しでも共感する方には、グロービスに行くのをおすすめします。



———本日は貴重なお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました!

 

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