生きづらさを感じていた私が「えれキャリ」を立ち上げるまで / Elephant Career 発起人インタビュー

みなさんは「生きづらさ」を感じたこと、ありますか。

きっと多くの方が頷いてくれるはずです。そして現在進行形の方もいらっしゃるでしょう。Elephant Careerは、いま「生きづらさ」を感じている人に届けたいと秋山は言います。

今回は番外編として「Elephant Career」を企画運営している秋山に、立ち上げのきっかけ、活動の広がり、そして今後の目指す姿について、腰を据えてじっくりお話を聞いてみました。「社会人大学院のメディアじゃないの?」と思われた方は、よければ最後まで読んでいただけると、その意味を理解してくださるのではないかと思います。

聞き手は、秋山と一緒に「先輩インタビュー」の記事制作などを行う中田が務めました。いつものようにアットホームな雰囲気で交わされた会話。いろんな話題に及びましたが、振り返ってみると、秋山はずっと「自由」について話していたような気がします。

秋山 詩乃

茨城県つくば市出身、実家は寿司屋。幼少期から両親が事業で忙しく、バックオフィス業務の煩雑さを恨みながら育つ。

頑張る経営者とその家族が幸せな時間を持てる世界をと思い、2017年 freee株式会社に新卒入社。営業、事業企画を経て人事企画にて現職。

人事として実務経験だけを積み上げた先に、自信を持って働く自分の姿がイメージできず、2020年立教大学大学院リーダーシップ開発コースに進学し、人と組織について学ぶ。漠然としたキャリア不安を払拭するためには、学びを起点とした「自律分散型キャリア」が必要と思い立ち、Elephant Careerを立ち上げる。

「生きづらさ」を感じている人へ

——— 今日は楽しみにしてました。Elephant Career(以下、えれキャリ)が始まって約半年ですね。いろいろ聞かせてください。

いつも「えれキャリ」でお世話になっている中田さんにこうやって話を聞いてもらえるのは感慨深いけど照れ臭いですね。

——— よろしくお願いします!最初にお聞きしたいのは、「えれキャリ」とは何か?です。いまの秋山さんが「『えれキャリ』って何?」と質問されたら何て答えますか?

そうですね、すっごい抽象的な言葉を使うなら……「自分のたがを外すためのサービス」になってほしいと思っています。

——— 「たがを外す」っていいですね。どこから来た言葉なんでしょう。

うーん、いまの日本のキャリア観を覆っている閉塞感の「たが」を外したいのかなぁ。でもそこには、個人的な願望も入っている気がします。

——— そういえば、秋山さんから「生きづらさ」という言葉がときどき出てくるなぁと思っていたのですが、「たがを外す」と「生きづらさ」はどこかで重なってますか。

重なってますね。「生きづらさ」を感じるときって、自分軸で生きていないときなんです、私にとっては。やりたい、おもしろそう、これは世の中のためになる、と思っていることができないとき。

——— そういうとき、「たがが外れていない」と感じるのかもしれないですね。

そうですね、私の場合は大学院がきっかけで、それが外れたんですよね。働きはじめてから社会人4年目の半分あたりまでは、ずっと生きづらさを感じていた気がします。びくびくしていました。


——— 秋山さんが社会人大学院に進学したのは、2020年の社会人4年目の年でしたよね。当時、どんな生きづらさを感じていたのでしょうか?

例えば、自分の力不足もあり上司と反りが合わない時期があったのですが、気づけばその人に怒られないよう機嫌を伺いながら働いている自分がいました。縛られているような生きづらさを感じていて、半月ぐらい休職を経験したのもそのときです。

あるべき論や理想論ではなく「相手がどう思うか?」と、本質的ではないところに頭と心を使っているとき、生きづらいって思うのかも。特に心を使って、相手がこういうタイプならこういう言い回しがいいかなって慮ったりすることに疲れてしまいました。

——— 似たような経験をしたことある人、多そう。僕にもあります。

ちなみに大学院に通い始めてからもしばらくは生きづらかったですよ。
人事企画という部署に配属になったのですが、大学院で学んだことで人事の全体像が見えてきた私は、会社で起こる問題に理論やモデルを当てはめて考えていたんです。「こうすれば、うまくいくのでは」と頭で見立てるのですが、まわりとの信頼関係が十分に築けてなかったので、プロジェクトをうまく進めることができなかったんですよね。

——— 大学院で学んだことを現場で活かそうとして。

そうです。大学院で得た武器を使いたいというのが前面に出てしまいました。さらに「なんでみんなわからないんだろう?」と他責にしてしまっていたので、それはうまくいかないよなって思うんですけど。

心を使うのって疲れるし、ビジネスでそれをやるべきじゃないと思って、どんな人でも納得する方法や理論で人を動かそうとしていましたね。人って理論やべき論だけで動くものじゃないと心底腹落ちしたのは、修士1年目の最後の頃でした。

——— 秋山さんの最初のインタビューでも詳しく書かれていましたよね。

そうですね。人って社会的な生き物だから、個人として存在しているようで常に他者との関係において存在してますよね。こうしたいと信じるものがあったら、周りにもそう思ってもらえるように相手にリスペクトを示さないといけない。そこには理論を凌駕した文脈があって、それを考えるのがリーダーシップなのかなと思うようになりました。

——— 秋山さんが「生きづらさ」という言葉を使うときは、自分自身でも生きづらさを生み出してるってことなんでしょうか?

ですです。「生きづらい世の中、ポイズン」的な嘆きではなくて、「自分自身で生きづらくしてるんじゃないの?」ってスタンスです。絶対的な世の中があるのではなく、自分を通して世の中や社会って存在していて、自分も世の中や社会の一部なんだよなって。

——— あらためて聞いてみたいのは、「えれキャリ」が「自分のたがを外すためのサービス」を目指すとしたら、どんな人に届けたいですか?

何かしら理由をつけて前に進むのを躊躇してる人ですね。このままただ経験を積み重ねていくだけでいいのかなって不安な人もいると思います。そうやって自分をどこか抑圧しているような感覚がある人に「えれキャリ」を届けていきたいですね





——— そういう人たちが「たがを外せる」きっかけに「えれキャリ」はなっていくんですね。

「えれキャリ」っていつ思いついたんですか?

——— ちなみに「えれキャリ」のアイデアが最初に頭をよぎったのはいつですか?

それ、つい最近まで覚えていたのに……!なんか最近どんどん記憶が抜け落ちていくんだよな...

——— (笑)

実は、一番最初は違うことを考えていたんです。

大学院に通って4ヶ月ぐらい経ったときのある授業で、中年のキャリアプラトーの話が出ました。出世競争の中で椅子がなかった人たちがどれくらい存在して、どんな不安を感じてるのかというデータを見たとき、いろいろな要因があるといえど、社会的構造の影響でやる気を削がれている人がこんなにいるんだとショックを受けました。これは日本の中で第2のキャリアをつくっていかないとやばいと。そこで当時ふわふわ考えていたのは、キャリアコンサルタントや人事コンサルで独立しようか……とかいうことでした。

※キャリアプラトーとは
今後のキャリアで現在以上のポストに昇進する可能性が低く、停滞状況にあること。プラトー(plateau)の意味は、高原・台地を指し、階段の踊り場のような停滞状態のことを比喩する場合もある。

出典:インソース「キャリアプラトーとは」

——— そもそも将来的には独立しようと考えてたんですか?

もうずっとですね。大学生ぐらいのときから「将来は起業したいな」と。親が自営業で寿司屋を営んでいるのが影響してるのかわかりませんが、自分でゼロからイチをつくれる人って、かっこいいな、職人だよな、みたいな気持ちがあるんですね。

とにかく自分でやりたい。でも、解決したい課題や創造したい未来もないのに起業するのって違うよなと思っていました。freeeに就職したのも、頑張る経営者とその家族が一緒に過ごせる時間を増やしたいと思っていて、freeeのミッション重なる部分が大きかったからなんです。それ以上に、自分の人生を通して成したいことができたときに起業するんだろうなって思っていました。

——— なるほど。話を戻すと、最初は人事コンサルなどを考えていたと。そこからまた考えが変わっていくきっかけがあったんですね。

ちょっと思い出してきました。もう1つきっかけがあって、キャリアプラトーの授業の1年後くらいにまた違う講義でキャリア理論を学んだのですが、そのなかで自分の人生をひたすら振り返ったんです。そのときに、私のメンタルモデルが変わってきていること、そしてそれは大学院に来たからだということに気付いた瞬間がありました。「大学院って自分にとって意味があったんだな」「それをみんなにももうちょっと知ってもらいたいな」と考え始めたんだと思います。

——— 大学院で学ぶことの意味を秋山さん自身がまずは実感したと。

……でも他にもきっかけがあった気がするんですよね。

——— たしかに、まだ「たがを外す」というところまで至っていない感じもしますね。

あ、そうだそうだ!思い出した!思い出しました!

私、社会人大学に行ってから副業の依頼が増えたんですよ。それはきっとこれまで実務で積んできた経験をアカデミックに昇華して、自分のなかで専門性として確立できたからこそだと思ったんです。

一例ですが、「ONBOARDING-SUMMIT 2021」に登壇させていただく機会があって、大学院で分析した研究結果を発表したんですけど、すっごい大きな反響があったんですね。Twitterで会いたいですって連絡をもらったり、講座やってくれませんかと声をかけていただいたり、学びから人の繋がりが生まれていったんです。そういったことを通じて「学びからはじまるキャリア自律」って大事なんだと思ったんだ!

——— 「学びからはじまるキャリア自律」は「えれキャリ」で大事にしている言葉ですよね。そのタイミングでいろいろと繋がったんですね。

学ぶことで人と繋がって、それがお金になって、そこからお金を使って学んで、という循環が私のなかで生まれて……私の場合はそうやってキャリアが自律分散型になることで、もともとの会社だけに縛られなくなり、いままでより自由に発言できるようになって「これが本当の自由なんだ」みたいなのを感じはじめました。



——— 学びが起点となり、そこで自由を感じたと。

はい。学び自体は本でもいいし、オンライン講座でもいいし、何でもいいんです。だけど大人の学びが日本で市民権を得てキャズムを超えるためには、お金をかけて本気で学んでいる人たち、つまり社会人大学院にフォーカスするのが良いと思ったんです。

——— それが「えれキャリ」のアイデアに繋がるんですね。

よかった、思い出せた(笑)

100人を目指してインタビュー。そこで見えてきたもの

——— 「えれキャリ」を着想してから最初に「先輩インタビュー」をしようと思ったのはなぜだったんですか?

リクルートが学びのハードルの調査を公開しているのですが、「何を学んだらいいかわからない」が1位だったんです。とはいえ、いきなりこれを解決するのは難しいなと。そこで2〜3位を見ると「金銭的不安」「仕事との両立不安」とあり、それらの不安は進学経験者の話を届ける代理体験の提供を通じて解消できるかもしれないと思ったんですよね。

※先輩インタビュー
社会人大学院への進学経験のある「先輩」にリアルなお話を伺うインタビューシリーズ

——— 半年足らずで60人以上(22年9月時点)のインタビューを公開していますね。

いや、それがですね、最初の頃はもう全然駄目だったんですよ。22年1月ごろに5〜6人にインタビューさせていただいたのですが、書けなかったんです。読んでくれる人のことが当時はイメージできなかったり、もし公開したときに世の中から反響がなかったら……という怖さもありました。



——— 秋山さんがそういう怖さを感じていたのが、ちょっと意外です。

でも「やるって言っちゃったしなぁ」というのがありました。とある授業で、修了後の目標を各々がプレゼンする機会があったのですが、私は「自律分散型キャリアが必ず日本で必要とされる日が来るので、これで起業します!」と周りに宣言しちゃった。

——— 宣言した手前、書けないとまずいと。

だからちょっと泣きましたね(笑)最初の1ヶ月ぐらいは自分ひとりで書いていたんですが「今年中に100人の先輩にインタビューをしよう」と決めたので、1人じゃ無理だなって気づきました。いつも後から気づくんですよね。



——— 振り切るんですね、最初は。

最初は振り切る。まずは100人でしょ、みたいな。

——— 実際、本当に100人に近づいてきています。その全てのインタビューを秋山さんが行ってきましたが、どんなことが見えてきましたか?

インタビューで出会ったみなさんは、大学院での学びを通じて一歩踏み出してるところが共通しているように感じました。だからか、みなさん清々しい顔をしてるなぁと。一度世に出た社会人が、課題感を持ってアカデミックに学ぶっていうのは、他者には伝わりづらいかもしれませんが、当人の人生にとっては一つのキャリアの区切り。その人にとっての意味や価値があるんだなあっていうのを改めて思いましたね。



——— 60人を終えたタイミングでこんなツイートもしていましたね。

——— 質的研究というのはどういうことでしょう?

私の好きな中原淳先生が20年前に書いた『社会人大学院に行こう』という本には、社会人大学への進学理由はキャリアアップかキャリアチェンジの二大巨頭であると書かれていました。しかし、年功序列や終身雇用が崩れて転職が当たり前になった時代においては、進学の理由も変化している気がします。

あと、ビジネスというものが難しくなってるんだと思います。勘と経験だけでは太刀打ちできない、だからちゃんと学びたいと考える人が当初より増えている。その変化をここまで70名インタビューしてきたデータを質的研究で記述したいなって。その研究がインタビューさせていただいた皆さんへのお礼にもなるのかなと。このテーマでまた博士にも行きたいなーなんて最近は考えています。



——— おもしろそう。これだけのボリュームのインタビューをしているので発見はありそうです。

社会人で大学院進学をしている方には、自ら学ぶバイタリティがあって、学んだことを世に還元したい人も多く、輝ける場所に出会えれば会社に貢献する人たちだと思います。そういったことも研究で証明して世に出していきたいです。

——— 活躍できる場を増やしていくような。

社会人大学院が日本で当たり前になるためには、修了した人たちが世の中で活躍しないといけない。成果で証明しないと。その成果が出やすくなる手助けをするのが、「えれキャリ」が最初にすべきことなんだと思っています。

広がってゆく「えれキャリ」の世界

——— 「社会人大学院になんとなく興味がある」くらいの方も多いですよね。

そうですよね。そういう方こそ「先輩インタビュー」を読んでみて「進学のモチベーションはこの人に似てるのかもなぁ」とか、ご自身の興味の矛先がどこに向いているのかを見立てるのに活用してもらえると嬉しいですね。

——— 多くの方に読んでもらえると嬉しいですね。

そのためにも、直近ではグラフィックレコーディングとPodcastをインタビュー記事に絡めていこうとしています。親近感がえれキャリの大きな一つのテーマなので、記事の要旨をイラストで直感的に伝えるグラフィックレコーディングと、拾いきれなかった話を直接聞けるPodcastを今後は活用していきたいです。

——— 他にも直近でやっていきたいことはありますか?

大学院で学ぶ選択をするためには、自分が課題に感じていることを言葉にするのが最初の大きな壁だと思っているんです。

——— そもそも、自分は何を課題だと感じているのか。

そうです。例えば、一般用語では「モチベーション」でも、人事や研究界隈では「内発的動機」と言われているので「モチベーション」で調べてもぱっとした理論にたどり着けないことがあります。同様のケースは他にもあって、それはきっとアカデミアにいる人が補足できると思っているので、大学院生と、なんとなく大学院が気になってる人をマッチングする仕組みを「えれキャリ」でつくりたいですね。

——— 受験の準備なども気軽に相談できるとよさそう。

まさにコミュニティづくりにも興味があって、受験を考えている人が修了生たちと繋がって、研究計画書の添削をしてもらえるとか、輪読会を一緒にするとかもいいですよね。実は「えれきゃり+」というコミュニティを立ち上げて、トライアル中なんです。受験勉強中の5名の方と輪読会や研究計画書添削をやってます!

——— いいですね!

それと、教授が何を研究しているのかも見えるといいなと。「内発的動機」もそうですが、キーワードを教授に紐付けて、気になる言葉から検索できるデータベースをつくりたいです。

——— 先日リリースした社会人大学院データベースに次は教授の情報を紐づけていくんですね。

はい。教授ごとに、どういう論文のタイトルを出していて、その論文がどのぐらい引用され、著書はどういったものが出版されているのかといったデータも一緒に。そもそも世の中には「自分の気になっていることにこの研究は近いかも」と気づけるマップがないんですよね。それがあれば、「何を学べばいいのかわからない」という一番大きく根深い問題にアプローチできるのかなと。

社会人大学院データベース
社会人にひらかれた大学院をまとめたDB。学費や授業スタイル(オフライン・オンライン)、求められる人物像などを比較できる。

「社会人大学院は意味がある」という風潮をつくる

——— 秋山さんの頭の中はやりたいことでいっぱいですね!

あとは社会人大学院に特化した転職サービスもやってみたいんですよね。

——— さらにもう一つ出てきましたよ(笑)

前置きが長くなってしまうかもしれないのですが、女性へのインタビューでは「どうやって生き抜くか」というのを節々に感じるんです。生物学的に区切るのはフェアではない気はするんですけど、どこかのタイミングで性別を意識して諦めたものや、自分の中で当時は解消しきれなかったエネルギーがあって、アカデミアに戻ったことでそれが解消され楽しそうに話す姿を見ると「いいよね、学ぶのって」という気持ちになります。

学ぶ理由も大事なんですけど、理由がない学びからわかることもあるよなぁって、インタビューをしていると思いますね。

——— 明確でわかりやすい学ぶ理由はなくてもいい、と。

そうですね。だって、わかりやすいものはすぐ真似されるのでコモディティ化しますから。そうならないために社会人大学へ行くんだったら、むしろわかりにくい方がいいと思います。理解してくれようとしない組織には行かない方がいいんだな、くらいの気持ちで(笑)。

——— 理解してくれる組織もきっとありますもんね。

それをわかってくれる人たちのところに、社会人大学院で学んだ人たちを届けたいなって。私は「社会人大学院は意味ない」と思われている社会の風潮を変えたい。受け入れ側の企業の心持ち、体制、関わり方次第で大きく変わるはずなので、社会人大学院の良さをわかっている私たちが仕事を紹介する方が絶対にいいだろうと。そうやって、一人ひとりの社会人大学院生がちゃんと活躍できるところをつくりたいです。その先に「社会人大学院は意味がある」という風潮や流れが生まれてくれば、きっと国や企業も本質的なリカレント教育にもっと力を入れようってなってくると思うんです。

この国の労働慣行を変えたい

——— ここらでもう少しだけ「えれキャリ」の未来を抽象的に捉えたくて。秋山さんがいま思い描いていることが一つずつできていった先を。ちょっと目を閉じてみると、どんなシーンが見えてきそうですか?

……そうですね……いまぼんやりあるのは、国にちゃんと提言できていて、日本ってやっぱりよかったね、やっぱり変われたんだね、みたいになっていたらいいなって。それに「えれキャリ」が貢献できてると嬉しいなって。

——— ここまでお聞きしてきた具体的なサービスは秋山さんの描いている大きな地図の一部なんですよね、きっと。

具体的な手法は見えないんですけど、日本の労働の慣習を変えたいっていうのが大きなテーマですね。一つの会社で勤め上げることが悪いとは思いません。でも一つの会社に依存するのではなく分散していた方が健全なんじゃないかと私は思っていて。そのためのことだったら何でもやりたいんですよね。

——— やりたいことは広がっていきますね。

そのためにも「えれキャリ」をリクルートのようにみんなが知っていて、キャリアを歩むなかで必ず通る場所にしたいですね。

——— そのときはもっと大きなチームになっているんでしょうね。

私の願望としては、300人ぐらいの少数精鋭の最強集団をつくってみたいですね(笑)。

——— いやぁ……それほどまでに秋山さんを動かす原動力って何なんですか?

原動力。なんですかね。やっぱり自分が生きづらかったからですかね。

——— やはりその経験と繋がってるんですね。最後に、生きづらさを感じていたあのころの秋山さん自身にいま声をかけることができるなら、どんな言葉をかけたいですか?

「自由を獲得するために、もっと広く学び、広い世界で実践せよ!」ですかね。大学院に行く前の自分は、自信がなくて斜に構えていて、すごく扱い辛い人間だったと思います。まぁいまもそうゆう節はあるけど(笑)

——— そんなことないですよ(笑)

でも自分でも変わったなって思うんです。それは、学んだことを仕事で実践して成果がでて、世の中から反響をもらうことで自信がついたから。反響っていうのは、会社という狭い組織の中で相対的に評価されることを超えて、本質的に「価値があるね!」と認められることです。それによって自信を積み上げてきたのですが、その軸となる場所が私にとっては大学院でした。

私は自分が「それいい!やるべき!世の中のためになる!」と思って行動したことが実際に認められると嬉しい人間で、これが私の自由なんです。

——— 今日は「たがを外す」にはじまり「自由」で終わるという。

自由のためには自分の腕を磨く必要があるんじゃないかなと。だから、腕を磨きたいと思っている人にも「えれキャリ」を届けたいです、大学院のことは頭になくてもいいので。その磨いた腕は「専門性」となり、同時に「どこでも生きていける力」となるはずです。あるいは、それは「勇気」のようなものにも、きっとなりうるんじゃないかなと思います。

「えれキャリ」を一緒につくってくださる仲間を募集中です!
えれキャリの描く未来に関心がある、リカレント教育・大人の学びっておもしろそう、などなどちょっとでも「えれキャリ」に興味を持ってくださった方、がしがしご連絡ください!

インタビュー・執筆:中田 達大

ラーニングコミュニティのお知らせ🐘

Elephant Careerでは、社会人大学院受験を応援するラーニングコミュニティ、えれキャリ+を運営しています。2ヶ月間の短期集中で、読書会をベースに入学後も役立つ自律的な学びをサポートします。

その他には、実務から芽生えた課題感やモヤモヤを研究計画書に仕立てるお手伝いや、キャリア棚卸しでなぜ今大学院が必要なのか、一緒に言語化していきます。ただ受験に合格するだけではなく、本質的にみなさんのキャリアにとって社会人大学院へのチャレンジがプラスになる伴走をしていきます。

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