教育訓練給付金とは?もらえる人と支給額・申請方法を徹底解説!



社会人大学院への進学を検討する方にとって、避けて通れない話題が「お金」。社会人大学院への入学準備7ステップの第4弾では「教育訓練給付金」について詳しく解説していきます。

入学金や授業料をはじめ、必要な資料を購入したり、場合によっては転居が必要になったりと、大学院進学にはなにかとお金がかかります。少しでも負担を減らしたいときに、奨学金や教育ローンの活用は比較的思い浮かびやすいかもしれません。もう一つの選択肢として、講座を受講した場合、国から給付金が受けられる「教育訓練給付金制度」というものがあります。

教育訓練給付制度とは?

教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、国から学費の一部が支給される制度です。雇用の安定と就職の促進を図ることを目的に、働く人の主体的な能力開発や中長期的なキャリア形成を支援する目的で1998年に創設。その後、2014年の法改正で大幅に拡充されました。

教育訓練とは、聞きなじみのない言葉かもしれません。本制度では、給付対象となる教育訓練を大きく3つに分類しています。それぞれ給付率が異なるので注意が必要です。まずはそちらを簡単にご紹介します。

いわゆる専門職大学院へ進学する場合は「専門実践教育訓練」に当たります。社会人の大学院進学において最も多いケースがおそらくこちらに該当するでしょう。その他にも専門学校の課程、介護福祉士や社会福祉士をはじめとする業務独占資格などの取得を目標とする講座もこちらに含まれます。

次に「一般教育訓練」は、仕事に役立つスキルや資格がおおむね1年以内に身につく講座が対象です。例えば、語学や簿記、ITパスポートなどの講座が指定されています。指定講座のなかには、大学・大学院の修士・博士、科目等履修証明プログラムなどの講座も含まれているため、興味のある方は一度詳しく調べてみる価値がありそうです。

最後に「特定一般教育訓練」ですが、こちらは労働者の速やかな再就職、早期のキャリア形成に資する教育訓練を対象として2019年に新設されました。上記の2つと比べて、より再就職に繋がりやすい高度な資格取得を目標としたものに限定されているのが特徴です。

さて、ここからは専門職大学院へ進学する方に関わる「専門実践教育訓練」の給付制度にスポットを当てて、詳しく見ていきましょう。



専門実践教育給付金はどんな人がもらえる?


教育訓練給付制度は雇用保険の制度。そのため、給付条件には雇用保険の加入有無、加入期間などが含まれます。

まず、在職しながら大学院に通う場合の給付条件を見ていきます。その場合は「受講開始日に雇用保険の被保険者であること」と「雇用保険の加入期間が2年以上あること」の両方を満たすことが条件となります(過去に教育訓練給付制度を利用したことがある場合、加入期間は前回の受講開始日から通算3年以上が必要)。

一方で、受講開始日に離職中の方もご安心ください。「離職してから1年以内」の場合は、上記と同様の条件を満たせば受給対象となります。また、出産・育児、病気などの理由で受講を始められなかった場合も、条件さえ満たせば適用対象期間が最大20年まで延長になるため、迷ったらハローワークに相談に行くことをおすすめします。



専門実践教育給付金の支給額は?

専門実践教育給付金の給付率は、本人が支払った教育訓練経費の50%(上限40万円/年)です。給付は訓練受講中に6ヶ月毎に支払われます。

さらに受講終了後、1年以内に目標とする資格を取得するなど条件を満たす場合は、受講費用の20%(上限16万円/年)が追加で支給されます。ただし、受講終了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されている(またはすでに雇用されている)必要があります。上記の条件を満たす場合は、教育訓練経費の70%で給付金を再計算して、すでに受けとった支給金額との差額分を追加でもらうことができます。

例えば、2年制の大学院に進学した場合は最大112万円、3年制の場合は最大168万円まで受給が可能。2年制の国立大学で学費総額が140万円と仮定してみましょう。うち70%(98万円)の給付を受けとることができた場合、費用の自己負担は42万円。月々に換算すると約1.8万円です。この制度を活用しない手はないでしょう。

また、失業状態にある方が初めて専門実践教育訓練を受講する場合、いくつかの条件を満たせば、別途「教育訓練支援給付金」として失業手当(基本手当)の日額80%相当額が支給されます。こちらの詳細もお近くのハローワークにご相談ください。



専門実践教育給付金はどうやって申請するの?


専門実践教育訓練制度を利用する場合、受講前の申請が必須なため注意が必要です。
履修が開始した後に慌ててハローワークに駆け込んでも後の祭り。そのため、受講前から計画的に申請の手順を踏んでいきましょう。ちなみに受講開始日の1ヶ月前には申請が必要ですが、合格発表を待たずとも事前申請が可能なため、合否の連絡を待っていたら間に合わないおそれがある場合はこちらの制度もぜひ活用してください。

受講前の申請には、訓練対応キャリアコンサルタントとの面談を通じて作成したジョブ・カードが必要です。これは2回以上の面談が必要になる場合もあります。年度末に近づくほど面談の予約が取りづらくなるので、余裕をもって準備していきましょう。

次に受講中の手続きです。先にも記載した通り、受講開始日を起点として6ヶ月毎の支給を受けるためには、最寄りのハローワークで申請が必要となります。申請時期を逃すと支給が受けられない可能性があるため、カレンダーに事前に記入しておくなど、くれぐれもお忘れなきようご注意ください。

受講後も1ヶ月以内にハローワークにして申請をお願いします。追加支給を受ける場合も、このタイミングで申請が必要です。



参考:指定講座を調べるには?

ここまでご覧いただき、ご自身の関心のある大学院が指定講座に入っているかどうか気になるところかと想像します。教育訓練給付の対象として厚生労働大臣の指定を受けている講座は、教育訓練講座検索システムで検索できます。ぜひ一度覗いてみてください。

今回は「教育訓練給付制度」について概要をご紹介しました。
学費の心配事を少しでも減らして、学びに集中できる環境づくりをする上で、大きな味方になってくれる制度の1つだと思います。「お金」のことで学びを諦めてしまう前に、ぜひ一度詳しく調べてみることをおすすめします。

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