こんにちは、Elephant Career代表の秋山です。
私は、都内の理系大学を卒業したのち、 ITベンチャー企業に就職し、3年目から人事として評価報酬制度やキャリア開発などを担当してきました。在職中には大学院に進学しました。
大学・大学院に通っている方の中には、Google Scholarを聞いたことがある方もいると思います。Google Scholarは研究計画書を書いたり、理論を深掘りしたりするときに活躍してくれるツールです。この記事では、Google Scholarの使い方や上手に検索するコツなどを解説します。
Google Scholarの使い方がわからなかったり、活用できていなかったりする場合は参考にしてみてください。
●Google Scholarとは?
Google Scholarとは、文献が検索できるツールです。Googleが提供しています。研究計画書やレポート作成などで、文献の検索が必要な際に役立ちます。掲載されているのは、論説や論文、書籍、要約、法律関係資料などです。
ただし、載っているものがすべて正しいというわけではないため、注意しましょう。中には誤った情報が紛れていることもあるため、使用するときにはきちんと事実確認をするのがおすすめです。上手に使うことで、学びを助けてくれるツールとして活躍してくれます。
Google Scholarを活用するメリット
Google Scholarを活用するメリットは、以下の3つです。
- Google検索エンジンと同じ感覚で検索できる
- 引用文献が探しやすい
- 無料で使える
Google Scholarは、Google検索エンジンと同じ感覚で操作ができます。ほとんど仕様が変わらないため、初めてでもすぐに使えるようになるでしょう。
また、文献の引用情報も一緒に表示されます。そのため、論文に引用元を掲載したいときでも問題なく対応できるでしょう。全文もチェックできるため、きちんと読み込んで利用するかどうか決められます。
さらに、検索エンジンは無料で使えます。ただし検索に引っかかった文献の中には、購読しなければ見られないものもあるため、注意しましょう。
●Google Scholarの使い方
ここからはGoogle Scholarの使い方を紹介します。
- Google Scholarにアクセスして検索する
- 気になる論文をクリックする
- 必要な論文をダウンロードする
詳しい使い方を知りたい場合は、以下を参考にしてみてください。
1.Google Scholarにアクセスして検索する
まずはGoogle Scholarにアクセスしましょう。検索窓に単語を入力していきます。
入力をしたら、虫眼鏡マークを押して検索結果を見ていきましょう。
2.気になる論文をクリックする
検索結果が一覧で表示されます。文献の一部が掲載されているので、気になるタイトルをクリックしましょう。
右にあるリンクは、全文にアクセスできるものです。全文をチェックしたいときにクリックしましょう。もしもレポートなどに使用するときには、最新のものであるか確認する必要があります。
3.必要な論文をダウンロードする
必要な文献があれば、ダウンロードしてみてください。右上にあるダウンロードボタンを押しましょう。
引用:文部科学省「スポーツ基本計画」
●Google Scholarで上手に検索するコツ
Google Scholarで検索してみても、必要な文献がうまく出てこないこともあります。そういったときは、以下で紹介する5つのコツを試してみてください。
- 検索オプションを活用する
- 記号を活用して検索する
- キーワードを具体的にする
- 被引用数を活用する
- 言語を増やして検索する
それぞれ詳しく紹介します。
検索オプションを活用する
うまく文献がみつけられないときには、検索オプションを使ってみましょう。検索オプションは、三本線のメニューをクリックしたときに出てきます。
検索オプションでは、以下の設定ができます。
- すべてのキーワードを含む
- フレーズを含む
- いずれかのキーワードを含む
- キーワードを含まない
- 検索対象にする箇所(記事全体または記事のタイトル)
- 著者を指定
- 出典を指定
- 日付を指定
キーワードを含むとフレーズを含むの違いは、キーワードは語順がバラバラでもその単語が入っていれば、検索結果に表示してくれる設定です。対してフレーズは、語順・単語どちらも一致しているものが表示されます。日付を指定は年単位で指定する検索方法です。
記号を活用して検索する
検索オプションを開いて操作するのが面倒な場合は、記号を活用してみましょう。以下の記号を検索窓に入力してください。
- フレーズ検索:引用符で単語を囲む
- どちらかのワードを含む検索:単語の間に「OR」を入れる
- キーワードを含まない検索:単語の前に「‐」を入れる
- 著者検索:「author:」を入れて著者名を入力する
入れる記号を誤ると検索結果が思ったものになりません。間違いがないように入力してください。
キーワードを具体的にする
キーワードを具体的にしてみましょう。曖昧な単語だと、必要な情報が出てこない場合があります。例えば、野菜のビタミンC含有量に関する文献を調べたい場合、「野菜の栄養」だと必要ないものがたくさん出てきてしまい、ほしい情報にたどり着けない可能性があります。
「野菜 ビタミンC」などに変更して、具体的にしましょう。どのような情報が必要か整理したうえで、検索するのがおすすめです。
被引用数を活用する
良い文献が見つけられないときには、被引用数を見てみましょう。被引用数とは、文献が引用された文書を探すことです。より新しい文献にたどり着けるため、質の良いものを見つけられる可能性が高いですよ。
この場合もすべての文献が信頼できるものとは限らないため、事実確認などはしっかりしておきましょう。
言語を増やして検索する
言語を増やして検索するのもおすすめです。Google Scholarでは、日本語や英語以外にもフランス語やイタリア語、韓国語などを選択できます。言語を増やしたい場合は、メニュー欄の設定にある「言語」から操作しましょう。
全部の言語で調べたい場合は、検索ページの「すべての言語」を選んでください。
●Google Scholarを使うときに覚えておきたい機能
Google Scholarを使うときに覚えておくと便利な機能を紹介します。主な機能は、以下の4つです。
- 論文を保存できる「マイライブラリ」
- 新着論文を確認できる「アラート」
- 論文を検索しやすくする「ブラウザ拡張機能」
- 図書館と連携できる「図書館リンク」
それぞれの使い方について紹介します。
論文を保存できる「マイライブラリ」
マイライブラリとは、文献を保存できる機能です。マイライブラリは、左上にある三本線のメニュー内にあります。
文献をマイライブラリに保存したいときは「星マーク」をクリックしましょう。ラベルもつけられるため、仕分けをしたいときには活用してみてください。マイライブラリに保存した文献はいつでもチェックできるほか、検索もできます。
たくさん文献を保存した場合でも、検索して探し出すことはできるので安心してください。マイライブラリから削除したいときには「削除」をクリックしましょう。
新着論文を確認できる「アラート」
新着文献をチェックしたいときには、アラートを活用しましょう。アラート機能とは、特定のキーワードや著者の新しい文献が公開されたときに、メールで通知してもらえる機能です。
左下にある「アラートを作成」から作ります。
問題なければ、アラートを作成をクリックしましょう。
メールアドレスは変更もできるため、受取しやすいものを設定してください。
論文を検索しやすくする「ブラウザ拡張機能」
論文を検索しやすくするために、Google Scholarではブラウザ機能も提供されています。Google Scholarで提供されているブラウザ拡張機能は、以下の2つです。
Scholar PDF リーダーは、PDF形式の論文の参考文献をチェックできます。論文を読みながら、参考文献もチェック可能です。論文の読み解きが素早くできます。
Google Scholar ボタンは、Webを見ながら文献をチェックできる拡張機能です。読んでいるWebページで気になる文献名を見つけたら、選択をしてGoogle Scholar ボタンを押すことで、Google Scholarで検索できます。
これらの機能を活用して、文献を探してみてください。
図書館と連携できる「図書館リンク」
図書館と連携できる図書館リンクもおすすめです。図書館と連携することで、大学や大学院が購読している文献をチェックできます。パスワードでログインや大学のパソコンを使用するなどの条件があるため、担当者に確認してから連携しましょう。
大学・大学院に進学した際には、ぜひ活用してみてください。
●Google Scholarの注意点
Google Scholarは便利な検索ツールですが、注意点もいくつかあります。
- すべての論文が見つかるわけではない
- 情報が古い可能性がある
- 全文読めない論文もある
- 関連性の低い文献が検索結果に出てしまう
- 質の低い論文が紛れている可能性がある
注意点を見落としたまま使ってしまうと、間違った情報で論文やレポートを執筆してしまうこともあります。注意点を頭に入れたうえで、Google Scholarを活用してください。
すべての論文が見つかるわけではない
Google Scholarはすべての文献が見つかるわけではない点には注意しましょう。多くの文献が表示されますが、中には検索に出てこないものもあります。文献が出てこない場合は、大学・大学院の図書館などで探すなど対策をしましょう。
Google Scholarだけで済まそうとするのではなく、足りない部分を補うツールとして活用してみてください。
情報が古い可能性がある
掲載されている情報はすべて最新とは限りません。中には数年前の情報が掲載されていることがあります。文献が発表された日付を確認せずにレポートなどに使ってしまうと、古い情報を掲載するなどのミスが発生します。
文献を活用する前にきちんと確認しましょう。
全文読めない論文もある
前述しましたが、Google Scholarに載っているものはすべて全文読めるわけではありません。中には有料掲載しているものもあります。有料のものでも、一部分公開されているため必要な文献であれば購入をして読むようにしてください。
購入は文献のタイトルをクリックした先でできます。
関連性の低い文献が検索結果に出てしまう
Google Scholarでは、関連性の低い文献が一緒に検索結果に出てきてしまうことがあります。関連性の低いものばかり出てきてしまい、検索に時間がかかることもあるでしょう。うまく検索するコツで紹介した検索方法を活用しながら、関連性の高い文献を見つけていくことが大切です。
どうしても難しい場合は、別のツールの使用も検討してみてください。
質の低い論文が紛れている可能性がある
前述しましたが、質の低い文献が紛れている可能性があることも念頭においておきましょう。論文の品質は、執筆した人の力量などで異なります。Google Scholarは品質の審査はしていないため、どうしても質の低い文献が紛れてしまうのです。
正しい情報ではないかもしれないことを頭に入れて、事実確認や信頼性の有無をチェックしたうえで利用しましょう。
●Google Scholarにアプリはある?
Google Scholarにはアプリはありません。スマートフォンから利用したい場合は、ブラウザから開きましょう。お気に入りやホーム画面に追加しておくとすぐに検索できますよ。
自分が利用しやすいように、カスタマイズしてみてください。
●Google Scholarの検索方法を覚えて使いこなそう!
Google Scholarは、文献などを検索できるツールです。論文やレポート作成の際に活用できます。Google検索エンジンと似た検索方法のため、気になる場合は今回紹介した使い方を参考にしてみてください。
ただし、Google Scholaは関連性の低い文献や質の低いものが検索結果に出てきてしまう可能性があります。その際には、オプション検索や言語を増やして検索などを試してみてください。Google Scholar検索方法を覚えて、使いこなしてみましょう。